オムロンは、世界最大級の産業見本市「HANNOVER MESSE(ハノーバーメッセ)」(2022年5月30〜6月2日)に出展し、人間とロボットの長所を組み合わせた高度な協働を実現する「インテリジェントセル生産ライン」を欧州で初展示した。
オムロンは、世界最大級の産業見本市「HANNOVER MESSE(ハノーバーメッセ)」(2022年5月30日〜6月2日)に出展。人材不足や効率化など企業が抱える課題を解決するデジタルトランスフォーメーション(DX)ソリューションとして、人間とロボットの長所を組み合わせた高度な協働を実現する「インテリジェントセル生産ライン」を欧州で初展示した。
2016年以降、「i-Automation!」という独自のモノづくり革新コンセプトのもと「integrated(制御進化)」「intelligent(知能化)」「interactive(人と機械の新しい協調)」という3本柱でモノづくりのノウハウを生かしたソリューション提案を行ってきた同社。2022年1月にはこの「i-Automation!」の未来形として「i-Automation!-Next」を発表し、「人を超える自働化」「人と機械の高度協調」「デジタルエンジニアリング革新」という3つの方向性で現場革新を進めていく方針を示している。
今回のハノーバーメッセでも、このコンセプトを体現するソリューションとして、センサーや画像処理、ロボティクスを組み合わせることで、人とロボットの高効率な協働を実現しつつ作業者のトレーニングも行う「インテリジェントセル生産ライン」を展示した。
展示していた生産ラインは、ロボットでは難しい組み立て作業は人間が、その他の部品供給や組み立て品質チェックおよびミスの修正(人が締め忘れたねじを締める)、印字、外観検査などの作業はロボットが担当するというもの。センサーや画像処理システムによって、エラーや工程スキップがリアルタイムで検出されることから、迅速な組み立てと不良品ゼロを両立できるとしている。
また、作業状況については、機器/設備が取得する情報のほか、上部に設置したカメラによって作業者の動きまでも記録して可視化。「製品の品質を確保しつつ、迅速にスキルを向上させることができる」(同社)と説明している。
この生産ライン制御プラットフォームをテストするオムロンの草津工場(滋賀県草津市)では、組み立て時間が半分に、多品種変量生産における生産性が25〜200%向上したという。
同社 中東欧担当ゼネラルマネジャーのKlaus Kluger(クラウス・クルーガー)氏は、展示の紹介に際し、ポストコロナ社会における工場の省人化への対応の必要性を挙げたほか、「欧州全体で熟練した労働者が不足している」とも言及して、人とロボットの協働の重要性を強調。その上で、「私たちはこれらの課題に対する解決策を見つける必要がある。今回展示しているソリューションがその例だ」と語っていた。
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