日精樹脂工業は、熱硬化性樹脂を用いた成形部品の大型化に対応する、ハイブリッド式専用射出成形機「FWX760III-130BK」を発表した。国内最大クラスの射出容量を持ち、加熱筒設計の最適化により熱硬化性樹脂の連続成形性と熱安定性を提供する。
日精樹脂工業は2022年4月28日、熱硬化性樹脂を用いた成形部品の大型化に対応する、ハイブリッド式専用射出成形機「FWX760III-130BK」を発表した。同年6月1日より受注を開始する。
FWX760III-130BKは、熱硬化性樹脂用として、国内最大クラスの射出容量を持つ専用射出成形機だ。型締力360tf(3540kN)相当の金型を搭載できるタイバー間隔760×760mmのワイドプラテンタイプで、熱硬化性樹脂製品の用途を拡大する。
射出機構を大型化しながら、加熱筒(スクリュー)設計を最適化しており、熱硬化性樹脂の連続成形性と熱安定性を提供する。また、細やかな温度制御技術を搭載している。
新開発の射出コンプレッション機能は、直圧式型締ならではの機能となる。熱硬化性樹脂の大型部品を優れた寸法精度で連続して安定成形できる。繊維の配向を制御可能で、成形品の異方性の低減や高粘度材料の充填性、寸法精度と製品強度の向上、ウェルドのない成形が期待できる。
ワイドプラテンのFWX機は、推奨オプションの低圧成形システム「N-SAPLI」と組み合わせることで、より大きな金型の搭載に対応。新複合型締機構で機械設計をコンパクト化しており、成形設備の省スペース化が図れる。
また、2容量切り替え型ポンプと電動サーボモーターを組み合わせたインテリジェントハイブリッドポンプシステム「Xポンプ」により、駆動源のサーボモーターが必要に応じて適切な回転速度で作動し、作動油の吐出流量と圧力をコントロールする。
Xポンプは、油圧式成形機に比べて大幅に消費電力を削減するほか、エネルギー効率の改善により、作動油の温度上昇を抑えて冷却水の使用量を削減する。新開発の複合型締機構は、作動油量を従来機に比べて61%減少できることから、冷却水の設備費や管理費のコスト低減に貢献する。
同社は、住友ベークライト製材料とFWX760III-130BKによる成形試験を実施し、1kg相当の成形品でも安定した成形ができることを確認した。短繊維フェノール樹脂成形材料による連続成形では、一般的な型締力100tfクラスの成形機と同等の安定成形ができた。
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