富士通は2022年4月6日、同社のコンピューティング技術とAIなどのソフトウェア技術を利用しやすいように体系化したサービス群「Fujitsu Computing as a Service」を提供開始すると発表した。スーパーコンピュータやデジタルアニーラといったコンピューティング技術の商用利用促進を目指す。
富士通は2022年4月6日、同社のコンピューティング技術とAI(人工知能)などのソフトウェア技術を利用しやすいように体系化したサービス群「Fujitsu Computing as a Service」(以下、CaaS)を提供開始すると発表した。スーパーコンピュータやデジタルアニーラといったコンピューティング技術の商用利用促進を目指す。
富士通はスーパーコンピュータを活用した高度なコンピューティング技術や、AIなどのソフトウェア技術の開発を進めているが、学術分野以外でのスーパーコンピュータなどの利用は投資負担や、導入や運用に際しての専門技術者の確保が障壁となることから、社会全体への普及に課題感を抱えていたという。
そこでCaaSを通じて、クラウドサービスに加えて、ソフトウェアやサービス連携基盤、コンサルティング、チューニングサービスを合わせて提供することで、各サービスの連携と導入、運用に関する負担感の低減を図り、富士通の技術群を利用しやすくすることを狙う。製造、金融、流通、物流、地震や津波予測などの防災、創薬や遺伝子治療といった医療分野などでの活用を想定する。
また、CaaSの第1弾として、富岳に採用されたCPUを適用したスーパーコンピュータ「FUJITSU Supercomputer PRIMEHPC FX1000」をクラウド経由で提供する「Fujitsu クラウドサービス HPC」の提供を開始する。ハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)の導入で課題となる、ソフトウェアやライブラリも標準搭載する他、運用面では性能チューニングやアプリ分析といった作業を選択できるサポートサービスも併せて提供する。HPCで利用するコンピュートノード、ログインノード、ジョブスケジューラ、ストレージ、アプリケーションソフトウェア一式が事前にセットアップされており、導入企業側でHPCの環境を構築する手間を不要にしている。
また、顧客のビジネス計画と連動したHPC活用計画の策定や、テクニカルサポートも提供する。技術者育成、採用などを行うことなく、HPCの性能を最大限利用できる。富岳と共通のCPU、ジョブスケジューラ、ファイルシステム、コンパイラ、アプリケーションソフトウェア、APIを利用できるため、富岳での研究成果を同様に適用しやすいといった利点もあるという。
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