原理原則を押さえていれば、高額なソフトウェアを用意せずとも「パラメトリック最適化」「トポロジー最適化」「領域最適化」といった“形状最適化”手法を試すことができる! 本連載ではフリーのFEM(有限要素法)ソフトウェア「LISA」と「Excel」のマクロプログラムを用いた形状最適化にチャレンジする。連載第7回では、いよいよLISAとExcelマクロを使って、片持ちはりのトポロジー最適化を行う!
今まで長かったですね。早速図1のような片持ちはりの肉抜きをやってみましょう。SI単位系で長さの単位を[m]としたので、とてつもなく大きなはりですが、「トポロジー最適化」では大きさはあまり関係ありません。
前回配布した圧縮ファイル(FreeFEM_ExcelMacro_06.zip)を解凍し、全てのファイルを「C:\Temp」フォルダに移動してください(※注1)。そして、「Topo_optimization.xlms」を開きます(※注2)。
次に、前回作成した「LISA」のファイル「beam1_opti_1.liml」をダブルクリックして、LISAを立ち上げてください。ちなみに、配布したファイルの中にもbeam1_opti_1.limlと同じもの(ファイル名:beam1_a_opti_1.liml)が含まれていますので、そちらを活用していただいても構いません。
※注1:ファイルの一部に差し替えが発生したため、本稿掲載のリンクから再度「FreeFEM_ExcelMacro_06.zip」をダウンロードしてください。
※注2:「FreeFEM_ExcelMacro_06.zip」の中には、Excelのマクロ機能を使用したファイル(Topo_optimization.xlsm)が含まれます。利用にはマクロを有効にする必要がありますので、セキュリティの変更などは自己責任で行ってください。
では、順を追って説明していきます。図2は「Excel」ファイル(Topo_optimization.xlms)を開いた状態です。シート「Topo beam1」を選択してください。A4セルに世代を表す「1」を代入します。これから第1世代の最適化を行います。
B4セルは最適化対象の名前です(図3)。ここでは「beam1」と名付けました。これは連載第6回でLISAのファイル名を図4のようにした際の「名前」部分と同じです。他の形状のトポロジー最適化をする際は、beam1を好きな名前に変えてください。
ここで“お約束”です。シートの色が付いているセルは絶対に変更しないでください。変更したらもう動かないと思ってよいでしょう。色が付いていないセルは変更可能です。本連載を読み進めていくとトポロジー最適化への理解が進み、シートの計算式の意味が分かってくると思います。その段階までくれば、セルの計算式を変えて自分で考えたアルゴリズムで最適化ができるようになります。
LISAに戻ります。LISAの上部メニューから[=]ボタンを押して解析を実行してください。そして、「Solver」ウィンドウが緑色になったら[×]ボタンを押して、ウィンドウを閉じてください(この操作は必ず行ってください)。続いて、LISAの上部メニューから[フロッピーディスク]ボタンを押すか、メニューから「File」/「Save」を選んで解析結果を保存してください。
Excelに戻ります。図5の赤色の枠で囲んだ[Read liml file]ボタンを押すと小さなウィンドウが表示されるので、ファイル名が間違っていないかを確認し、[OK]ボタンを押します。このとき、読み込みに時間がかかりますが少しお待ちください。
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