VR/ARが描くモノづくりのミライ 特集

立命館とSOLIZE、対面と同等以上の学習効果が得られるVR教材の実現目指すVR/AR/MRニュース

立命館大学 教育・学修支援センターとSOLIZEは、VR技術の特徴を効果的に活用した学習教材の開発を共同で開始すると発表した。SOLIZEと連携し、学生が主体となって仮想空間で対面環境と同等以上の学習効果が得られる教材の設計/開発を進める。

» 2022年04月12日 13時00分 公開
[八木沢篤MONOist]

 立命館大学 教育・学修支援センターとSOLIZEは2022年4月7日、VR(仮想現実)技術の特徴を効果的に活用した学習教材の開発を共同で開始すると発表した。

 同取り組みでは、VR技術が学生の学習の質向上につながるかを教育学の観点から検証すること、両者が連携して理科教材などのプロトタイプを制作することを目指すとともに、約3カ月間、学生がゼミ活動を通じてVRの新たな可能性を探っていく。

対面と同等以上の学習効果が得られるVR教材の設計/開発を目指す

 近年、VR技術を教育に活用する動きは進みつつあるが、学習の質向上に資する取り組みには十分につながっておらず、VR技術を活用した授業とWeb会議システムを用いた授業とでは、学習内容にほとんど差が見られないなどの課題がある。

 同取り組みは、こうした課題の解消を目指すもので、仮想空間における参加者間の心理的安全の構築と相互作用を中心とした学習に注目し、仮想空間で対面環境と同等以上の学習効果が得られる教材の設計/開発を進める。

 具体的には、立命館大学 教育・学修支援センター 教授の中島英博氏と、同大学 産業社会学部 教授の野原博人氏が連携し、野原氏のゼミに所属する学生がVRを用いた理科教材を設計し、開発委託を経てプロトタイプを制作。受講生同士で制作した教材のピアレビューを実施し、学習効果を検証する。また、優れた教材はその有効性について、小・中学校などの教育現場で実証実験を行う予定だ。

 教材制作に当たっては、人間の感覚を刺激し、リアリティーかつ高い没入感を生み出すVR技術と、バーチャル空間で学びの体験量を増加させる体験型コンテンツサービスを提供するSOLIZEと連携し、学生が主体となって3カ月間かけて取り組む。

 講義スケジュール(予定)は以下の通り(表1)。また、同年4月14日には、同取り組みの主体となる学生を対象に、VR技術に触れる体験会を開催する。

日付 内容
2022年4月7日 授業の概要や到達目標の確認、進め方の説明など
4月14日 VRの技術紹介、アプリケーション体験(説明:SOLIZE)
4月21日〜5月12日 グループワーク
5月19日、26日 教材案の発表およびSOLIZEからのフィードバック
6月2〜16日 グループワークおよびSOLIZEとのブラッシュアップ、コンサルティング
6月23日、30日 教材発表会
以降 SOLIZEによる教材制作/納品、大学の講義で検証、学校現場での活用
表1 講義スケジュール(予定)

 なお、同取り組みは、アフターコロナを見据えた教育環境の整備や新たな可能性の模索、先進的なアイデアの具体化を進めるための、立命館大学の教学政策予算「アフター・コロナを見据えた教学高度化予算」を活用して実施するものである。

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