ロボット関連技術としては、さまざまな“つかめなかったものをつかめるようにする”ハンド技術を紹介した。1つは、金沢大学 理工研究域 フロンティア工学系 教授の渡辺哲陽氏と共同研究を進めている「1モーターで2把持モードが使える変形グリッパ」である。これは、従来はつかみにくかった布や紙など薄い対象物のつまみあげを可能としたものだ。特徴となるのが、独自のパッシブ機構による変形構造を持ち、1つのモーターでこれらの作業を可能としたという点だ。モーター数が少ないために小型化を可能としている。
また、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)と共同研究を行い、NEDOブースで出展したのが、2指のロボットハンド先端に巻き上げ式のフィルム構造を採用し、つぶれやすいものでも優しくつかむことができるグリッパーだ。2指の指の先端で挟み、その後はフィルムを巻き上げることで力のかかりやすいところまで引き上げ、やさしくつかみあげることができる。イチゴなどの果物でもキズ付けることなくつかめる点が特徴だ。実用化は2026年頃を目標としているが「巻き上げ構造などを含め6個のモーターを採用するなど機構が複雑でどうしても大きくなってしまう点が課題だ。構造のシンプル化などを含め、小型化や軽量化に向けて研究を進めていく」(担当者)としている。
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