長時間の連続稼働でも精度維持、キヤノンの新たなダイボンダーSEMICON Japan 2024

キヤノンマシナリーは「SEMICON Japan 2024」において、BESTEMシリーズダイボンダーの新機種「BESTEM-D610」の実機を出展した。

» 2024年12月13日 09時15分 公開
[長沢正博MONOist]

 キヤノンマシナリーは「SEMICON Japan 2024」(2024年12月11〜13日、東京ビッグサイト)において、BESTEMシリーズダイボンダーの新機種「BESTEM-D610」の実機を出展した。会場ではデモンストレーションも披露している。2025年1月から販売する。

ダイボンダーの「BESTEM-D610」 ダイボンダーの「BESTEM-D610」[クリックで拡大]

 ダイボンダーはウエハー上で切り分けられた半導体チップを1つ1つピックアップし、外部配線とつなぐリードフレーム上に接合する装置だ。半導体チップを粘着シートから吸着ノズルで吸い上げるのと同時に、下から粘着シートを針で突き上げて剥離を促す。同時に、リードフレーム上には製品に合わせてさまざまな接着剤を塗布する。

 BESTEM-D610は、12インチウエハー対応 IC/LSI(大規模集積回路)用のダイボンダーとなっている。

 装置内部で半導体チップやリードフレームの位置などを認識するCMOSカメラも新しくなっており、対象チップサイズは、従来機(BESTEM-D510)が最大で8mmまでだったのに対して、最大で15mm(最少は0.3mm)まで拡大した。ボンディング精度も同従来機の25μmから20μmに向上している。

装置内部の様子。回路パターンのないミラーウエハーが置かれている 装置内部の様子。回路パターンのないミラーウエハーが置かれている[クリックで拡大]

 接着剤を塗布するツインディスペンサーは高剛性なユニットを新たに開発しており、高速で高精度な塗布が可能となっている。1時間当たりのボンディング回数は2万UPHと、従来機より10%向上した。

 接着剤の塗布量などもカメラで常時認識。稼働中に生じるさまざまな変化に対応する補正機能を備えており、長時間の連続稼働においても精度を維持する。

 タッチパネルの操作盤では装置の稼働状況やエラーの発生具合なども確認できるほか、装置の調整も表示されるガイダンスに従えば簡単に行えるようになっている。

稼働状態の表示も行われている 稼働状態の表示も行われる[クリックで拡大]

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