NVIDIAが最新の組み込み機器向けAIモジュールである「Jetson AGX Orin」の開発者キットの販売を開始すると発表。米国での価格は1999米ドル(約24万3000円)で、量産用モジュールは2022年第4四半期に399米ドルで入手可能になるという。
NVIDIAは2022年3月22日、最新の組み込み機器向けAI(人工知能)モジュールである「Jetson AGX Orin」の開発者キットの販売を開始すると発表した。米国での価格は1999米ドル(約24万3000円)で、量産用モジュールは2022年第4四半期に399米ドルで入手可能になるという。開発者キットの国内展開については、菱洋エレクトロ、ネクスティ エレクトロニクス、マクニカがオープン価格での先行予約販売を開始しており、出荷時期は近日中となっている。
組み込み機器向けのSOM(System on Module)であるJetson AGX Orinは、現行のAmpereアーキテクチャに基づくGPUコアとともに、Armのプロセッサコア「Cortex-A78AE」を最大12コア集積したSoCを搭載。AI処理性能は「Jetson AGXシリーズ」の前世代モデルとなる「Jetson AGX Xavier」と比べて8倍以上となる最高275TOPS(1TOPSは毎秒1兆回の演算性能)の処理性能を持つ一方で、同じ手のひらサイズのフォームファクターと端子互換性を備えている。価格も、現行のJetson AGX Xavierに近い水準を実現したという。
今回の発表に合わせて、Jetson AGX Orinのラインアップも明らかになった。開発者キットに組み込まれているのが64GBメモリモデルの「Jetson AGX Orin 64GB」だ。Cortex-A78AEを12コア、GPUはAmpereアーキテクチャベースのCUDAコアを2048コア、Tensorコアを64コア搭載している。GPUの最高動作周波数は1.3GHzで、AI処理性能は275TOPSとなっている。一方、32GBメモリモデルの「Jetson AGX Orin 32GB」もあり、こちらはCortex-A78AEを8コア、GPUはAmpereアーキテクチャベースのCUDAコアを1792コア、Tensorコアを56コア搭載。GPUの最高動作周波数は939MHzで、AI処理性能は200TOPSだ。
2021年11月にJetson AGX Orinを最初に発表した段階では、AI処理性能は200TOPSとされていた。今回の発表では、64GBメモリモデルが275TOPSとなっており、AI処理性能がアップグレードされた格好だ。
この他、SO-DIMMコネクターベースのモジュールとして展開されてきた「Jetson Nano」や「Jetson Xavier NX」と端子互換を備える「Jetson Orin NX」も用意されている。16GBメモリモデルの「Jetson Orin NX 16GB」と8GBメモリモデルの「Jetson Orin NX 8GB」がある。GPUについては、AmpereアーキテクチャベースのCUDAコアを1024コア、Tensorコアを32コア搭載している点が共通しているものの、16GBモデルはCortex-A78AEを8コア、8GBモデルはCortex-A78AEが6コアなど仕様が異なる。AI処理性能も、16GBモデルが100TOPS、8GBモデルが70TOPSとなっている。出荷時期は2022年第4四半期である。
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