一方で、これらを実現するロボットの新たな進化として、新型自律ロボット「MOTOMAN-NEXTシリーズ(仮称)」を参考出品した。新型自律ロボットはまず、ギアやモーターなどメカ部分の設計を一新し、精密性を高めている。「ロボットそのものを現場の情報を伝えるセンサーの1つとして捉えた場合、正確にフィードバック情報を伝えるためには高い精密度が必要になる」(園原氏)。
加えて、活用までの容易性を高めている。ロボットを活用するアプリケーションをパートナーとの協力でオールインワンパッケージの形で用意する。これらとロボットなどモーション制御をAPI(Application Programming Interface)で結ぶ構造とすることで、活用までの負荷を下げ、エンジニアリングコスト低減に貢献する。また、アプリケーションに必要なロボットビジョンやパスプランニング、AI処理、力覚制御などの機能もハードウェアおよびソフトウェアのモジュールとして用意し、可能な限り選択していくだけで一定の機能が果たせるような仕組みとしていく。
デモでは、多様なジュースの中から正しい製品を選び箱詰めをするという作業を紹介した。モジュールを組み合わせることで、カメラ映像により、8種類のジュースから正しいものを1つ選び、ロボットがつかんで正しい位置に配置する。設定を変更すれば、簡単に異なる配置でも可能となる。「ロボットそのものの精緻さに加え、さまざまな機能を一から作り上げるのではなく、モジュールの選択で行えるようにすることで容易性を高めていく。また、こうした仕組みをベースに他の周辺機器やパートナーとの連携をしやすくすることで、アプリケーションとして導入しやすさを作り出していく。そのためにはロボットコントローラー部分の強化も必要になる」と園原氏は述べている。
新型自律ロボットは2022年度(2023年2月期)中に実証を開始し2023年度に製品投入を目指すとしている。
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