今回発表した一連の不正行為は、2020年末に公表した北米向けエンジンの認証試験の問題をきっかけとする社内調査によって明らかになった(米国での調査は現在も継続。米国での認証手続きに社内から疑問の声が上がったのは2018年11月だった)。米国で新しいモデルイヤーのエンジン3機種を対象にした法定の認証試験が予定通りに進まず、北米での生産が2021年1月から9月末まで停止した。
その後、必要なエンジンを米国のエンジンメーカーであるカミンズから調達するとともに、北米向けの一部車種でいすゞ自動車から車両のOEM(相手先ブランドによる生産)供給を受けた。現在、北米向けの全ての車両でカミンズ製のエンジンを搭載している。
外部の弁護士とともに米国での認証試験に対する社内の課題を調査する中で、日本向けエンジンにも調査対象を拡大。2021年4月からエンジン性能の再試験を開始した。劣化耐久試験は中型エンジンで7カ月、大型エンジンで9カ月の期間を要し2022年2月末に結果が出た。燃費試験については2021年11月ごろから問題があると把握した。こうした調査の結果、認証プロセス上の不正行為や、エンジン性能に問題があることが発覚したという。
平成28年排出ガス規制(2016年規制)は、2015年7月1日に公布、施行された。試験モードがJE05モードからWHDC(Worldwide harmonized Heavy Duty Certification)モードに変更になった他、規制値のうちNOxの平均値が0.7g/kWhから0.4g/kWhに、最大値が0.9g/kWhから0.7g/kWhに引き下げられたのが特徴だ。
新型車での適用開始時期は、車両総重量が7.5トンを超えるもの(けん引自動車以外)は2016年10月1日から、車両総重量が7.5トンを超えるけん引自動車が2017年10月1日から、車両総重量が3.5トン以上7.5トン以下のものが2018年10月1日からとなっていた。継続生産車はそれぞれのカテゴリーで1年遅れて適用された。
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