河村電器産業は、国内で7番目となる郡山工場建設についての続報を発表した。当初の計画を見直して、2024年4月に竣工予定の郡山工場は、ESGやSDGsをより重視し、DXを取り入れた先進工場となる。
河村電器産業は2022年2月9日、国内で7番目となる郡山工場(仮)建設についての続報を発表した。
同社は2020年8月3日に福島県郡山市と土地売買の契約を結び、郡山工場の建設を計画していたが、新型コロナウイルス感染症の影響に伴い計画を見直すことに。2022年2月に着工し、竣工は当初の計画より1年延期して、2024年4月とした。
建設計画の見直しには、ESG(環境、社会、ガバナンス)やSDGsをより重視すること、環境への配慮が含まれている。太陽光発電(1.7MW)や蓄電池など地球環境へ配慮した設備の導入により、ZEB(Net Zero Energy Building)と、事業で消費するエネルギーを100%再生可能エネルギーで調達するRE100の達成を目指す。
また、先進工場となるべく、工場全体にDX(デジタルトランスフォーメーション)を取り入れる。製造の進捗に加え、部材の加工状況などをリアルタイムで把握することで、加工における待ち時間をなくし、部材納入から製品完成までの生産ラインを効率化する。
郡山工場は、工場棟、付属工場棟、厚生棟の3棟で構成され、敷地面積は3万9004.5m2、延床面積は2万6006m2となる。主に産業用の配電盤やキュービクルを生産する。
工場棟では、加工品を「加工方法」「加工難易度」別に細分化し、納期に合わせて多品種を取り扱う「多品種混流生産ライン」を構成する。
付属工場棟には、新商品の開発にあたり、他社と協業するための実験の場を設ける。また、顧客の新たなニーズに迅速に対応し、ソリューションを提案できる環境を整備する。
厚生棟は、1階に約100人まで収容できる会議室を、2階には約120人が食事を取れる食堂を完備し、従業員の福利厚生の面でも活用する。建物の周辺には、四季折々の景色を楽しめるよう地域の樹木を植える。
工場建設を通じて福島県内の雇用を生み出すことで、地域経済の活性化にも寄与する。同社では2024年4月の操業までに120人程度の採用を計画しており、段階的に増員して、将来的には240人ほどを採用する予定だ。
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