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» 2022年02月24日 06時00分 公開

2021年のグローバル生産を足止め、半導体不足、部品供給や物流の混乱自動車メーカー生産動向(1/4 ページ)

2021年の自動車産業は、経済回復による旺盛な自動車需要に対して、半導体不足や東南アジアからの部品供給難、物流の混乱などが足止めする格好となった。このため、2021年の日系乗用車メーカー8社合計の世界生産は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大で相次いで生産停止を余儀なくされた2020年と比べてもわずかなプラスにとどまる結果となった。

[MONOist]

 2021年の自動車産業は、経済回復による旺盛な自動車需要に対して、半導体不足や東南アジアからの部品供給難、物流の混乱などが足止めする格好となった。このため、2021年の日系乗用車メーカー8社合計の世界生産は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大で相次いで生産停止を余儀なくされた2020年と比べてもわずかなプラスにとどまる結果となった。

 足元では自動車メーカー各社が挽回生産に乗り出したものの、2022年初めからオミクロン株の感染拡大の影響による稼働停止が相次ぐ事態に陥っている。加えて北米の寒波やカナダと米国間の物流の混乱なども発生しており、2022年も自動車生産を取り巻く環境は不透明な情勢が続きそうだ。

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 2021年(1〜12月)は、8社合計のグローバル生産が前年比3.2%増の2355万4886台と3年ぶりに前年実績を上回った。これは2020年がCOVID-19感染拡大による生産停止が相次ぎ大幅な減産を余儀なくされたためで、2019年と比較すると約15%減と決して本格回復したとは言い難い数字となった。特に国内生産は、同4.2%減の739万1194台とコロナ禍で停滞した2020年も下回り、3年連続のマイナスとなった。

 2019年との比較では約2割の減少となる。2021年初めから続く半導体不足に伴う減産調整に加えて、夏ごろからは東南アジアのロックダウン(都市封鎖)に伴う部品供給の混乱が、海外以上に国内生産に対して影響を及ぼしたことが要因とみられる。

 一方、海外生産は前年比7.0%増の1616万3692台と3年ぶりに前年実績を上回った。ただ、2019年比では約13%減にとどまった。地域別に見ると、北米は同0.4%増とわずかに前年を上回った。2020年の4〜6月に急激な感染者数増加による生産調整が相次いだことへの反動増があった一方で、夏以降は東南アジアからの部品供給不足で生産調整を余儀なくされたことで前年並みにとどまった。中国は、需要自体は旺盛なものの、半導体不足や部品供給難なども重なり、同2.8%減だった。

2021年1〜12月の国内乗用車メーカーの生産実績
国内 海外 (うち北米) (うち中国) 合計
トヨタ 2,877,962 5,706,023 1,794,120 1,649,653 8,583,985
▲ 1.5 14.4 12.1 7.3 8.5
ホンダ 615,587 3,520,431 1,301,172 1,578,210 4,136,018
▲ 15.6 ▲ 4.1 ▲ 10.3 ▲ 4.1 ▲ 6.0
日産 496,577 3,088,576 987,941 1,328,792 3,585,153
▲ 2.5 ▲ 1.0 3.7 ▲ 7.8 ▲ 1.2
スズキ 874,927 1,990,725 - - 2,865,652
▲ 5.8 20.6 - - 11.1
ダイハツ 875,763 639,367 - - 1,515,130
▲ 3.8 32.1 - - 8.6
マツダ 735,649 339,338 127,293 165,095 1,074,987
▲ 1.5 ▲ 20.7 ▲ 12.6 ▲ 24.5 ▲ 8.5
三菱 439,588 609,586 - 61,105 1,049,174
10.7 33.4 - ▲ 19.7 22.8
スバル 475,141 269,646 269,646 - 744,787
▲ 16.7 ▲ 14.3 ▲ 14.3 - ▲ 15.8
合計 7,391,194 16,163,692 4,480,172 4,782,855 23,554,886
▲ 4.2 7.0 0.4 ▲ 2.8 3.2
※上段は台数、下段は前年比増減率。単位:台、%
※北米は、米国、カナダ、メキシコの合計

 2021年12月単月では、東南アジアのロックダウンによるサプライチェーンの混乱が収束しつつある中で挽回生産の動きが見られたものの、2020年12月の実績が高水準だったこともあり、8社合計のグローバル生産は前年同月比5.5%減の214万6752台と6カ月連続で前年実績を下回った。

 国内、海外ともに前年割れだが、地域以上にメーカーごとの生産回復への動きの差が台数に大きく表れた。また、2022年1月からはサプライヤーやメーカー各社でオミクロン株の感染急拡大による稼働停止が相次いでいる他、カナダと米国間ではトラックドライバーによるデモ活動が拡大し、物流網が混乱する事態に発展。これまでの車両供給不足を補うべく年度末にかけて計画していた高水準の挽回生産に水を差す格好となっている。

2021年12月の国内乗用車メーカーの生産実績
国内 海外 (うち北米) (うち中国) 合計
トヨタ 260,760 540,385 129,244 200,142 801,145
3.2 7.5 ▲ 12.5 21.8 6.0
ホンダ 66,411 308,666 90,723 163,259 375,077
8.0 ▲ 15.8 ▲ 22.7 ▲ 13.5 ▲ 12.4
日産 29,662 274,053 65,256 150,600 303,715
▲ 48.4 ▲ 19.4 ▲ 26.7 ▲ 10.4 ▲ 23.6
スズキ 80,178 179,428 - - 259,606
▲ 13.0 ▲ 3.1 - - ▲ 6.4
ダイハツ 84,985 67,103 - - 152,088
1.0 33.3 - - 13.1
マツダ 78,104 20,336 6,614 10,560 98,440
▲ 0.5 ▲ 37.7 ▲ 38.9 ▲ 35.1 ▲ 11.4
三菱 25,627 63,132 - 7,884 88,759
▲ 22.0 28.9 - ▲ 21.5 8.5
スバル 43,794 24,128 24,128 - 67,922
▲ 25.7 ▲ 13.0 ▲ 13.0 - ▲ 21.6
合計 669,521 1,477,231 315,965 532,445 2,146,752
▲ 6.8 ▲ 5.0 ▲ 19.5 ▲ 2.7 ▲ 5.5
※上段は台数、下段は前年比増減率。単位:台、%
※北米は、米国、カナダ、メキシコの合計
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