サムライインキュベートが、東京都の「5G技術活用型開発等促進事業」に基づいて5Gによるイノベーションの街中実装や事業化を推進するアクセラレータープログラム「GO BEYOND DIMENSIONS TOKYO」の第1期採択スタートアップ企業4社を発表。2022年4〜7月にかけて大手企業や大学などの街中実装パートナーとの実証を進める。
サムライインキュベートは2022年2月3日、東京都内で会見を開き、東京都の「5G技術活用型開発等促進事業」に基づいて、5Gによるイノベーションの街中実装や事業化を推進するアクセラレータープログラム「GO BEYOND DIMENSIONS TOKYO」の第1期採択スタートアップ企業を発表した。5Gによる遠隔操作が可能な自動配送ロボットを手掛けるYper(イーパー)、非GPS環境下でも自律航行できるドローンを開発するサイトセンシング、モビリティにおけるXR技術を用いた現実拡張体験サービスの進化を目指すシナスタジア、オフィスや都市の空間における新たなつながりの形を模索するPlacyの4社で、2022年4〜7月にかけて大手企業や大学などの街中実装パートナーとの実証を進めた後、同年夏に成果発表会を行う計画だ。
GO BEYOND DIMENSIONS TOKYOは、日本の国際競争力向上に大きな役割を果たす首都東京の「東京版Society 5.0『スマート東京』」の実現に向け、5Gイノベーションの社会実装を通じて人々の生活をより豊かにアップデートすることを目的としている。サムライインキュベート Director Enterprise Groupの山中良太氏は「5G普及による社会変革のキーワードは『AI・データ活用のケータイ化』ではないか」と語る。例えば、LiDARなどの高性能センサーや自律運転のための高性能プロセッサを搭載する物流ロボットは、現時点では1台当たり300万〜500万円と高価であり普及は難しい。これを、超高速大容量、超低遅延・高信頼、多数同時接続という特徴を備える5Gを搭載して、複雑な計算処理をクラウドで行えるようにすれば、センサーやプロセッサを安価にすることができる。山中氏はこれを「エッジのシンクライアント化」と呼び、AI・データ活用のケータイ化が一気に進むとみている。
そして、AI・データ活用のケータイ化は、5Gの仕様として2020年6月に策定が完了した超低遅延・高信頼と多数同時接続機能が通信機器に実装されるようになる2022年からになるという。2022年からスタートするGO BEYOND DIMENSIONS TOKYOにとっても、これらの5G技術の社会実装が進むことは追い風になる。
また、GO BEYOND DIMENSIONS TOKYOは、一般的なアクセラレータープログラムと異なり、街中にリアルな実証フィールドや顧客を持つ街中実装パートナーとともに推進することが特徴だ。これによって、事業化や実用化につなげやすい仕組みになっている。第1期採択の4社に協力する街中実装パートナーとしては、ジェイアール東日本都市開発、東京都立大学、三菱地所、京浜急行電鉄、清水建設の5社が参画した。
アクセラレータープログラムとしては、最長で3カ年の長期支援となっており、街中実証のための資金として1社当たり年間約500万円が支給される。街中実装パートナーは、実証フィールドを提供する他、事業開発などでの人員面の支援など、さまざまな形でサポートすることになる。
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