ソニー3Q決算は過去最高の売上高と営業利益、モビリティ事業はアセットライトで:製造マネジメントニュース(2/2 ページ)
イメージセンサーなどを扱うイメージング&センシング・ソリューション分野では、スマートフォン端末向けのイメージセンサーの販売数量が増加したことや製品ミックスの改善が進んだことで増収増益となっている。「スマートフォン製品は中国市場で軟調が続き、部材不足も厳しい状況が続いている。中国企業との協業で進めているカスタムセンサーの導入は想定よりも時間がかかっており、収益性の回復は当初見込みよりは遅くなる。ただ、中国メーカー向けのハイエンドセンサーの大判化傾向は回復する兆しを見せてきており、2022年度後半には回復すると見ている」と十時氏は見通しについて述べている。
イメージング&センシング・ソリューション分野の2021年度第3四半期業績[クリックで拡大] 出所:ソニー
半導体子会社であるソニーセミコンダクタソリューションズが少数株主として出資した「Japan Advanced Semiconductor Manufacturing 株式会社(以下、JASM)」については「初回出資を完了した。2024年度中の立ち上げに向けてサポートを進めていく」(十時氏)としている。この新会社も含めTSMCに対し、イメージセンサー生産の外部委託を進めるとした報道も出ていたが「基本的にはわれわれが発表したことではないので直接コメントはしないが、イメージセンサーの外部委託についての考えは、ロジック部分を中心とする考えは変わっていない。マスター工程についての外部委託は限定的で増やす予定はない」と十時氏は述べている。
2022年1月5日に発表したモビリティ関連の事業会社「ソニーモビリティ」については「2022年春に事業会社を設立し、コンセプトカー『VISION-S』の市場投入の検討を開始する」(十時氏)。ただ、まだソニーが確実にクルマを投入するということではなく「市場参入を検討するために作るのがソニーモビリティだ。まだ参入を決めたものではない。クルマは勉強することが多く、事業会社を通じて勉強と検討を深めていくというのが現実だ。うまくいきそうであれば将来事業として育てたいという希望はあるが、どういうビジネスにするのかという点や規模などについてはまだ話せる段階にない」と十時氏は語る。
またEV(電気自動車)への投資についての考えもできる限り大掛かりなものにしない方針だ。「基本方針としてはパートナーを募り、アセットライトで進める考えだ。自社単独で製造設備を持ったり、バッテリーを開発したりするようなことは考えていない。それがない前提で掲げる『移動空間をエンターテインメント空間に進化させることで新たな顧客体験や価値を提供する』というビジョンをどう達成するのかというのを検討していく」と十時氏はモビリティ事業についての考えを述べている。
ソニーの「VISION-S」[クリックで拡大] 出所:ソニー
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