「人を超える自働化」は主に「integrated(制御進化)」と「intelligent(知能化)」の組み合わせで進める。人に頼りすぎる現場において、人への過度の依存を低減し、継続的なモノの供給と生産性向上を目指すコンセプトだ。生産性とエネルギー効率を両立する自働化を実現する。具体的には、人の器用さを生かした手作業を柔軟に自働化する技術や、カンコツの領域を自働化する技術、エネルギー効率化などの技術を実現する。例としては、フレキシブル基板のコネクター挿入をロボットで行うようなアプリケーションを紹介している。
「人と機械の高度協調」は、「intelligent(知能化)」「interactive(人と機械の新しい協調)」の組み合わせで進める。人と機械の協調技術を進化させ、機械が人に寄り添い、人の可能性を最大に引き出し、人と機械が共に成長できる新たなモノづくりの実現を目指す。具体的には、機械が人に合わせたり、成長を支援したりする自動化の実現を目指す。さらに、機械と人が状況に応じて柔軟に役割分担をしながら生産作業を行う将来像などを描いている。
「デジタルエンジニアリング革新」はDX(デジタルトランスフォーメーション)などを進めることでエンジニアリング領域の業務革新を推進する。センシングおよびコントロール技術をベースに製造現場や設備をデジタル空間で再現することで、業務プロセスの圧倒的な効率化などを進める。
辻永氏は「新たなモノづくりコンセプトは、従来のi-Automation!が約5年である程度の形を作り出せたことを考えると、3〜5年の中で実現していきたい」と今後の目標を示している。また、オムロンでは以前からデータ活用において、製造現場までの領域である“高度10m以下(センサーからエッジコンピュータまで)”を主戦場と位置付けていたが「基本的に新たなモノづくり革新コンセプトでもその方向性は変わらない。デジタル化が加速する中、“10m以上(サーバやクラウドなど工場や企業全体のレベルでのデータ活用)”の領域が広がるケースも増えると見ており、その領域はパートナーとの協力で拡大していく。基本的には従来と変わっていない」(辻永氏)としている。
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