ナイロン、電池、半導体……クルマに不可欠だからこそ、注目が集まるオートモーティブ 年間ランキング2021(1/2 ページ)

本稿は、1年間に読まれた記事をランキングで振り返る、MONOistの毎年恒例の企画です。2020年に同じように作成したランキングを読み返してみると、工場の操業予定に関する複数の記事が上位に入っていました。2021年のランキングにそうした記事はありませんでしたが、毎月発表される日系自動車メーカーの生産動向を見ていると、2021年の前半は前年の生産台数を上回る月もありましたが、徐々に前年割れの月が増えていったように思います。

» 2021年12月27日 06時00分 公開
[齊藤由希MONOist]

 おはようございます。2021年最後の月曜日です。1年間、本当にお疲れさまでした。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が広がった2020年に引き続き、2021年もあわただしい1年でしたね。

 本稿は、1年間に読まれた記事をランキングで振り返る、MONOistの毎年恒例の企画です。2020年に同じように作成したランキングを読み返してみると、工場の操業予定に関する複数の記事が上位に入っていました。2021年のランキングにそうした記事はありませんでしたが、毎月発表される日系自動車メーカーの生産動向を見ていると、2021年の前半は前年の生産台数を上回る月もありましたが、徐々に前年割れの月が増えていったように思います。

 消費者の立場から見ると、納車待ちの長さはもちろん、「本来の装備を幾つか省いた状態で納車する」という選択肢があるという点が印象に残りました。また、中古車の買い取り価格を上乗せするオファーも見かけました。売る側も買う側もクルマを求めていたのをひしひしと感じます。

 自動車の生産にさまざまな要因が影響を及ぼしていることについて、いつも「風が吹けば桶屋がもうかる」という言葉が思い浮かびます。意外なところに影響が出ることが本来の意味ですが、風が吹いてから桶屋がもうかるまでの間に幾つもの原因と結果があり、桶屋にはどうしようもない原因がたくさんあるところが、現状ととてもよく似ていると思うのです。

 2022年もおそらく状況は複雑なままで、たくさんの人がプレッシャーの中で対応に当たらなければならない期間が続くでしょう。つらいことも多いかと思いますが、1人でも多くの人に持ちこたえてほしいですね。

 さて、2021年にオートモーティブフォーラムで公開した記事で閲覧数が多かったランキングは下記の通りです。

→その他のMONOist年間ランキングはこちら

 1位はナイロン不足の動向について紹介した4月の記事「ナイロン不足は長期化の見通し、ヘキサメチレンジアミンを使う他の素材への影響も」でした。この記事に対するSNSの反応を公開後も時々チェックしていたのですが、「○○が手に入らないのはナイロン不足が原因だった」「××もない」とさまざまな声が上がっていました。いかに普遍的な材料かを実感しました。

 ナイロンに限らず、品不足の影響はありとあらゆる分野で見られました。スマートフォンなどのガジェット関連や、住宅設備など消費者に身近な分野は報道でも大きく取り上げられましたが、高圧ケーブルや産業機器なども品不足が深刻です。部品不足で駅のエスカレーターが停止したまま、という声もSNSで見かけました。すぐに影響が出るとは限らないのが怖いところです。

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