みんな大好きボルト設計、ガチ解説記事がよく読まれた2021年メカ設計 年間ランキング2021(2/3 ページ)

» 2021年12月23日 10時00分 公開
[八木沢篤MONOist]

戦略的な見直しによって生まれ変わった「AutoCAD」

 そして、オートデスクが2021年5月に開催した「AutoCAD 新戦略記者説明会」の内容を取り上げたニュース記事、「LTの価格でフル機能が使える、生まれ変わった『AutoCAD』と『AutoCAD Plus』」がランキング第2位となりました。

 最大のポイントは、従来の「AutoCAD LT」が「AutoCAD」に、従来の「AutoCAD」が「AutoCAD Plus(AutoCAD including specialized toolsets)」に変更された点です。しかも、新しく生まれ変わったAutoCADは、AutoCAD LTの提供価格7万1500円(税込み、サブスクリプション方式による年額)はそのままに、従来のAutoCADが提供する業種別ツールセット以外のフル機能を利用できるというのです。

新しく生まれ変わった「AutoCAD」について 新しく生まれ変わった「AutoCAD」について[クリックで拡大] 出所:オートデスク

 AutoCAD LTというと、これまで「AutoCADの廉価版2D CAD」という位置付けでしたが、価格据え置きで、2D図面機能に加えて、3Dモデリングやレンダリング機能、API&アドオンによる自動化/カスタマイズなどが使えるようになるというのは、かなり大胆な変更といえます。ユーザーとしては非常にうれしいニュースになったことでしょう。AutoCAD LTを使用してきた2Dメインの設計現場が、生まれ変わったAutoCADによって3D設計を進めていく……といった3D推進の流れも期待できそうですね。また、こうしたオートデスクの戦略的な見直しに対して、他のDWG互換CADベンダーがどう動くのかも気になるところです。

 そういえば、ランキングには入りませんでしたが、オートデスクは2021年9月に新しいロゴおよびブランドカラーをはじめとするルック&フィールを変更したことを発表しています(関連記事:Autodeskがブランドイメージを一新、新ロゴやブランドカラーを披露)。ブランド再構築に向けた活動の最初の大きなアクションということなので、同社の動向にも注目です。

ご存じですか? 自転車のタイヤが回転する仕組み

 第3位は前述の通り、「その設計、そのボルトと本数で大丈夫?」でしたので、ここでは第4位「自転車のタイヤを回す『巻き掛け伝動機構』とギアチェンジの仕組み」をご紹介します。

 連載「身近なモノから学ぶ機構設計“超”入門」の第8回の記事で、自転車の後輪が回転する仕組み「巻き掛け伝動機構」について詳しく解説しています。巻き掛け伝動機構はチェーンやベルト、ワイヤなどを、プーリやスプロケット(鎖歯車)、滑車などに巻き付けて動力を伝達する機構として知られています。この記事では、巻き掛け伝動機構に加えて、ギアチェンジについてもフォーカスし、その仕組みを丁寧に紹介しています。

代表的な「巻き掛け伝動機構」の例 代表的な「巻き掛け伝動機構」の例[クリックで拡大]

 ちなみに、連載「身近なモノから学ぶ機構設計“超”入門」では、自転車の他にも、扇風機、3Dプリンタや光学ドライブ、ノック式ボールペンなど、身の回りにあるものを題材に、機構やその仕組みについて解説しています。未読の方は、この機会にぜひご覧ください。

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