オンセミ(onsemi)は、ピクセルサイズを現行製品よりも小さくしてコストを抑えながらイメージセンサーの解像度を向上させる。ピクセルサイズを大きくしないことによって発生するトレードオフを補う技術もそろえ、競争力を高める。
車載イメージセンサーは、ADAS(先進運転支援システム)や自動運転システムが夜間や暗い場所でも明るい画像を得られるよう、光を多く取り込むためにピクセルサイズを大きくしてきた。しかし、今後車載カメラに求められる性能を実現していく上で、ピクセルサイズが大きいままでは解像度の向上とコスト低減の両立は難しくなる。
オンセミ(onsemi)は、ピクセルサイズを現行製品よりも小さくしてコストを抑えながらイメージセンサーの解像度を向上させる。ピクセルサイズを大きくしないことによって発生するトレードオフを補う技術もそろえ、競争力を高める。
車載カメラは現在100万〜200万画素が主流だが、高度なADASや自動運転システムはもちろん、NCAP(新車アセスメント)での自転車検知のシナリオに対応する上でも解像度が不足する。例えば、200万画素のカメラで45m先の自転車に乗った子どもを撮影した場合、縦15ピクセル程度の画像となり、「時速60kmで走行中に停止もしくは徐行しているサイクリストを検知して自動ブレーキで停止する」という機能の実現が難しくなる。路面状況や天候など条件がさまざまであることを考えると、さらなる解像度が必須となる。
そのため、前方監視用のカメラは高速道路のみの自動運転システムであっても800万画素、無人運転となるレベル4以上の自動運転では1200万画素以上が必要になるという。前方以外を監視するカメラであっても、現状の100万〜200万画素から300万〜800万画素に高解像度化する必要がある。
オンセミが量産している最新の車載イメージセンサー「AR0820」は830万画素を達成、400m先の車両も認識できる性能だ。中国のAutoXは、ドライバーレスのロボットタクシーでAR0820を採用、車両1台にAR0820を28個使用する。
AR0820のピクセルサイズは2.1μmとなっており、ピクセルサイズが4.2μmの従来製品と比べると低照度での環境は不利になる。実際の画像で比較しても暗く映ってしまう。これに対し、オンセミは独自の「画素加算モード」によって明るさを補う。
これにより、ピクセルサイズが4.2μmで170万画素の従来製品と比べると、10ルクスの環境下では従来製品と同等以上の明るさと、従来製品を上回る高画質を確保できる。さらに暗い1.4ルクスの場合も従来製品以上の高画質と明るさを両立する。
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