日産がMR技術活用で外観目視検査の作業習熟期間を半減、指導工数は9割減製造・自動車業界DXフォーラム2021(3/3 ページ)

» 2021年12月02日 11時00分 公開
[八木沢篤MONOist]
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IOSSの活用イメージ

 講演では、(1)現場で作業ガイドを見ながら作業者が1人で作業訓練(自習)を行う様子、(2)自習した後に正しく作業できるかを確認する習熟確認テストの様子、(3)現物を用いずに3Dモデルによって作業訓練を行う様子の3つのデモンストレーションを披露した。

現場で作業ガイドを見ながら作業者が1人で作業訓練を行う様子 現場で作業ガイドを見ながら作業者が1人で作業訓練を行う様子[クリックで拡大] 出所:日産自動車(講演資料より)
自習した後に正しく作業できるかを確認する習熟確認テストの様子 自習した後に正しく作業できるかを確認する習熟確認テストの様子[クリックで拡大] 出所:日産自動車(講演資料より)
現物を用いずに3Dモデルによって作業訓練を行う様子 現物を用いずに3Dモデルによって作業訓練を行う様子[クリックで拡大] 出所:日産自動車(講演資料より)

 また、実際に栃木工場でIOSSを活用している現場からは「HoloLens 2の軽さや取り回しのよさに驚いた。1日中装着していても疲れない」「MRコンテンツは想像していたよりも簡単に作成できるので現場でも作れそう」「コンテンツを簡単に作成できるため、他のラインでも活用が進みやすそう」といった声が上がっており、実際に、次は加工ラインへIOSSを展開する計画だという。

 そして、講演の最後、日産自動車 パワートレイン生産技術開発本部 主管の村井勇一氏は「今回は検査項目数が多く、作業者の視線がとても重要となる外観目視検査作業に対して、HoloLens 2とDynamics 365 Guidesを適用した。Dynamics 365 Guidesで取得したデータは即座にグラフなどに変換して可視化することが可能なので、データの2次活用による作業改善などにも期待できる。今後は、リアルタイム作業ガイダンスとして実作業のガイドへとつなげていきたい。また、HoloLens 2は『Dynamics 365 Remote Assist』を活用した遠隔地からの作業支援や、MRプラットフォーム『Mesh』を活用したバーチャル会議など、さらなる発展の可能性を秘めている」と、IOSSのさらなる活用に向けた今後の展望について語った。

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