寸法線は、指示する長さまたは角度を測定する方向に平行に引きます。寸法線の両端には端末記号を付けます。なお、1枚の図面の中では、寸法補助線の間隔が狭くて矢印を記入するスペースがない場合を除き、端末記号を混用してはいけません(図9)。
角度寸法を記入する寸法線は、角度を構成する図形の2辺または延長線(寸法補助線)の交点を中心として描いた円弧を寸法線にします。また、形体の二平面や円すい形体は、その母線(二平面や円すい表面の延長線として描かれた角度をもった線)の間に描かれた円弧を寸法線とします(図10)。
寸法線が隣接して連続する場合、寸法線は一直線上にそろえて記入するのがよいとされています。また、機能上関連する部分の寸法は、一直線上に記入します(図11)。
段差がある形体間の寸法記入は、次のいずれかによります(図12)。
狭い部分で寸法を記入しにくい場合は、部分拡大図を描いて寸法記入するか、次のいずれかにより寸法線を描きます(図13)。
対称の図形で対称中心線の片側だけを図に描いた場合は、寸法線はその中心線を越えて適切な長さに延長します。この場合、延長した寸法線の端には、端末記号を付けません。ただし、誤解する恐れがないのであれば、寸法線は中心線を越えなくてもよいです(図14)。
繰り返しになりますが、3D CADが提供する図面機能の全てがJISに準拠しているわけではありませんので、手描き図面や2D CADと同じように、規定通りに図面を描けないこともあります。そのため、社内共通ルールを整備して、限られた機能の中でうまく運用していく必要があります。
次回は「寸法補助記号」や「穴の寸法記入方法」について解説します。お楽しみに! (次回へ続く)
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.