これまで、2D図面の図形の描き方について解説してきましたが、寸法を入れなければ大きさを定量的に示すことができません。これもまた図面の一義性を示す大切な要素となります。
さて、この「寸法」という用語はなじみ深いものですが、JISの改訂に伴って「サイズ」と呼ぶことに変更されています。
(※JIS B 0420-1:2016より抜粋/編集)
製品の幾何特性仕様(GPS)−寸法の公差表示方式−第1部:長さに関わるサイズ
Geometrical product specifications(GPS)−Dimensional tolerancing−Part 1:Linear sizes
「JIS B 0420-1」は2016年に改訂されています。ここには適用範囲として、
この規格は“円筒”および“相対する平行二平面”の2つのサイズ形体の長さに関わるサイズに対する標準指定演算子ならびに特別指定演算子について規定する。また、これらの長さに関わるサイズのための指定条件およびその図示方法について規定する
と記載されています。国際規格への準拠が行われる中で、このような呼び方に変わったわけなので、私たち設計者もこれにならうべきです。
「寸法線」については、「JIS B 001:2019」の11項に次のように記載されています。
11 寸法記入方法(※JIS B 0001:2019 機械製図より抜粋/編集)
11.1 一般事項
一般事項は、次による。
本連載の中で触れてきた「主投影図(正面図)」についても項目d)に記述があります。CAD業務に慣れ切ってしまうと、このような規定があることを忘れがちです。しかし、3D図面や最近よく耳にする「3DAモデル(3D Annotated Model)」(※注1)を作製する上でも、寸法記入の方法について再認識しておく必要があります。なお、「サイズ」といったり、「寸法」といったりしますが、長さの定義を「サイズ」と呼び、それを図面に描く上での製図用語としては「寸法」「寸法値」と呼ぶのだと筆者は解釈しています。
※注1:3D CADを用いて作成した3次元の形状モデルに、構造特性(寸法、注記、数量など)を加えたモデルのことを「3DAモデル」と呼ぶ。
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