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» 2021年11月06日 08時00分 公開

「トヨタが最下位」の気候対策ランキングは、脱SUV、脱マイカーも求めている!?自動車業界の1週間を振り返る(2/2 ページ)

[齊藤由希,MONOist]
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「実力以上の実績だった」、2021年4〜9月期決算は

 さて、今週は自動車メーカーの2021年4〜9月期(2022年3月期第2四半期)決算の発表が続きました。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大によって新興国で生産される部品に供給遅れが発生し、半導体の供給不足も新車生産に影響を与えた期間でした。

11月1日週に発表された乗用車メーカーの2021年度上期決算
売上高 (前年同期比) 営業利益 (前年同期比) 当期純利益 (前年同期比) 通期予想の修正
トヨタ 154,812 36.1 17,474 236.1 15,244 142.2
300,000 10.2 28,000 27.4 24,900 10.9 営業利益と当期純利益を上方修正
ホンダ 69,882 21.0 4,421 161.2 3,892 143.2
146,000 10.9 6,600 △0.0 5,550 △15.6 売上高、営業利益、当期純利益を下方修正
スバル 13,416 10.1 544 77.9 447 88.9
29,000 2.5 1,500 46.4 1,100 43.8 売上高、営業利益、当期純利益を下方修正
三菱自 8,905 54.9 251 - 216 -
20,100 38.1 600 - 400 - 売上高を下方修正、営業利益と当期純利益は上方修正
上段が4〜9月期決算、下段は2021年度通期見通し。売上高、営業利益、当期純利益の単位は億円。前年同期比の単位は%。「通期予想の修正」の欄は上段が修正の有無、下段が修正の内容

 トヨタ自動車の2021年4〜9月期における売上高と営業利益は過去最高を達成しました。「1台でも多くのクルマを届けるために、販売店や仕入先、工場が必死に努力した」とトヨタ自動車 取締役・執行役員の近健太氏は振り返りました。地道な原価低減や固定費の効率化による効果が表れたとしていますが、中古車価格の高止まりや販売費用の低下など新車市場の需給逼迫によるプラス効果もあり、「実力以上の実績だった」(近氏)と説明しました。

 通期の業績見通しについて、数字上は営業利益と当期純利益が上方修正ですが、近氏は「円安の影響を除けば実質的には下方修正」とコメントしています。想定為替レートは、1ドル=105円から110円に、1ユーロ=125円から128円に見直しました。なお、売上高の通期見通しは据え置きます。

 通期の販売台数については前回の予想から1.7%減(15万台減)の855万台に下方修正していますが、12月から過去最高の生産台数で挽回します。

 為替やスワップなどの影響を除くと、通期の営業利益は前回の見通しから1750億円減となります。トヨタ自動車では年間で3000億円の原価改善を目指しており、4〜9月期では1500億円の原価改善が目標ですが、若干届かないという結果でした。下期は資材高騰の影響がさらに大きくなり、年間で3000億円の原価改善の目標達成は難しいとトヨタ自動車では見込んでいます。大きな収益改善のネタはなく、新車販売以外の領域で収益改善を進める必要があるとしています。

ホンダ、スバル、三菱自は

 ホンダも2021年度通期の四輪車販売を下方修正しました。前回発表した予想から65万台減の420万台です。2020年度の四輪車販売台数が454万台ですので、前年実績よりもかなり販売台数が減少する格好です。トヨタ自動車と同様に為替の影響や販売費・一般管理費の減少などによるプラス要因はあるものの、販売台数の減少によって前回の見通しから営業利益は1200億円減に下方修正しています。

 スバルは2021年4〜9月の北米での販売が好調で「現地に車両さえ供給できていればもっと売れた」と悔しさをにじませるほどです。しかし、COVID-19の感染拡大や半導体の供給不足といった生産への制約の影響が想定以上に大きく、現在も影響が解消していないことや、挽回の期間も限られることを踏まえて、売上高、営業利益、当期純利益を前回の予想から下方修正しました。連結販売台数の通期見通しは前回の予想から13万台減の83万台とします。

 三菱自動車の通期業績見通しは、販売費の削減や為替差益などの増益要因を反映させて、営業利益と当期純利益を上方修正しました。通期の販売台数はグローバルで前回の見通しから6.4万台減の90.3万台を計画しており、売上高も下方修正しています。

 11月8日週は日産自動車、マツダ、スズキも2021年4〜9月期決算を発表予定です。夜は寒い日が増えてきましたし、空気も乾燥しています。しっとりと暖かくしてお過ごしください。

→過去の「自動車業界の1週間を振り返る」はこちら

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