3DEXPERIENCEプラットフォームとつながることで、SOLIDWORKSユーザーにさらなる拡張性をもたらす3DEXPERIENCE Worksには、非常に多くのロールが用意されている。説明会ではその中から、デスクトップ設計開発環境としてのSOLIDWORKS製品群との連携、コラボレーションによる価値提供にフォーカスした内容をピックアップして紹介した。
まずは、Webブラウザ上で動作するサブディビジョンモデリングツール「3D Sculptor」だ。3D Sculptorは、基本となる形状を配置し、マウス操作によるドラッグ&ドロップで粘土細工のように直感的に自由度の高い形状を作り上げていくことが可能なツールである。最大の特徴は、SOLIDWORKSのCAD環境と協調した設計が行える点で、3D Sculptorで作成したモデルをSOLIDWORKS環境に取り込んで設計したり、設計変更や指示をやりとりしたりできる。また、同じように、3D Sculptor側でもSOLIDWORKSで設計したモデルの形状を参照しながらモデリングが行える。このように、筐体設計とメカ設計を同時並行で進めることができる。
さらに、3DEXPERIENCE Worksでは、SOLIDWORKSのアドインとして組み込むことができ、設計データのリビジョンやステータスなどをクラウドで管理する「Collaborative Designer for SOLIDWORKS」と呼ばれるロールも提供している。SOLIDWORKSユーザーのためのクラウドデータ管理ツールという位置付けで、版数や設計中/設計完了/廃版といった情報の他、関連するPDFやコンポーザーファイルなどを設計データとひも付けて一緒に管理できる。また、排他制御機能を有しているためチーム設計での利用も可能であるという。「これまで費用面でデータ管理システムの導入について断念していたユーザーに対しても、サブスクリプションのメリットを生かして導入費用を抑えた形で提供できる」(柿沼氏)。
シミュレーションについても、SOLIDWORKS環境と統合したクラウドシミュレーション「3DEXPERIENCE Works Simulation」を提供している。SOLIDWORKS上で設定した解析に使うパラメーターを、クラウドシミュレーション環境に引き継ぐことができ、非線形座屈解析といったSOLIDWORKSではできなかった高度なシミュレーションを可能にする。「これまで解析専任者でしか使えなかった高度なシミュレーションが可能となり、クラウドコンピューティングを活用した解析を実行できる。また、使いやすいユーザーインタフェース(UI)も特徴で、解析結果の共有もWebブラウザを介して簡単に行えるようになっている」(柿沼氏)という。
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