連載「テルえもんの3Dモノづくり相談所」では、3Dモノづくりを実践する上で直面する“よくある課題”にフォーカスし、その解決策や必要な考え方などについて、筆者の経験や知見を基に詳しく解説する。第3回は「3D CADで形状を作っていく場合、どういう手順で作っていけばよいのか」をテーマに、その考え方や手順を伝授する。
皆さん、こんにちは! “テルえもん”こと、小原照記です。本連載「テルえもんの3Dモノづくり相談所」では、3Dモノづくりを実践する上で直面する“よくある課題”にフォーカスし、その解決策や必要な考え方などについて、筆者の経験や知見を基に詳しく解説していきます。
それでは早速、今回のテーマを見ていきましょう。
3D CADで自分の思い描いた形状がうまく作れません。作り方のコツを教えてください。
3D CADを使い始めた頃は、自分の作りたい形状を、どの機能を使って、どういう手順で作ったらよいのか……と、悩まれることがあると思います。
“使い方”のトレーニングを受講し、3D CADの基本機能は理解できても、実際に自分の作りたい形状を設計しようとすると、うまく作れなかったり、時間がかかってしまったりなど苦労することも多く、「途中で挫折してしまった」という方も珍しくありません。
今回は「3D CADで形状を作っていく場合、どういう手順で作っていけばよいのか」をテーマに、筆者が普段、頭の中で考えていることをひも解きながら、“3D CADで形状を作っていく際のコツ”を伝授したいと思います。
一般的な3D CADにはたくさんの機能が搭載されています。それらを最初から全て理解して使いこなそうとする必要はありません。基本的な操作の流れと大別される機能について学びながら、徐々に操作に慣れていけばよいでしょう。
基本的な操作の流れとしては、まず「スケッチ」を作成し、「フィーチャ」と呼ばれる機能を使用して立体を作成していきます。これが基本の流れとなります。そして、出来上がった形状をコピーしたり、形状と形状を結合したり、切り取ったりしながら、思い描いている形状に近づけていきます。
大別される機能としては、(1)作成、(2)除去、(3)修正、(4)コピーがあります(図1)。
詳しい内容については、過去の連載記事「“脱2次元”できない現場で効果的に3D CADを活用する方法」の第7回「『モデリング』の基本を理解して3D CAD活用の第一歩を踏み出そう!」読んでみてください。
3D CADで形状の作成を進める場合、以下のような条件によって、3Dモデルを作成する際の考え方や使用する機能も変わってきます。
ここでは、既に立体のイメージがある場合を例に、「マグカップ」を作成する際の考え方の手順について説明していきます。
筆者が3Dモデルを作成する際に考えていることを整理してみました。以降、これら3つのポイントについて詳しく解説していきます。
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