筆者は、作成したい形状がある場合に、直方体や円柱、球、トーラスなどの基本形状(「プリミティブ」とも呼ぶ)に分解できる部分があるかどうかを検討します。基本形状を結合したり、除去したりなど、組み合わせて形が作れないかを頭の中で考えるのです。「積み木のようなイメージ」といった方が分かりやすいでしょうか。
自動車の外観や人間の体など、曲面的な部分もしっかりと再現して立体化したいとなると、基本形状に分解できないこともありますが、まずはできるだけ基本形状に分解して組み合わせて作成できないかを考えます。どうしても基本形状に分解するのが難しい場合、筆者はある程度のグループに分けるようにしています。
また、角の丸みなどは、後から「フィレット」機能を使用して作成できるので、とにかくシンプルな基本形状に分解できないかを考えていきます。マグカップの場合、「カップ」部分と「取っ手」部分の2つの基本形状に大きく分けられます。
次に、分解した基本形状の断面がどうなっているかを考えます。例えば、マグカップであれば、「底が円の形になっているな」「上も円の形かな」「取っ手は断面が楕円かな」などを頭の中で考えます。
「1.基本形状に分解するとどうなるか」と同様に、断面形状も基本的な形状である、円や楕円、長方形で作れるかを最初に考えます。できない場合には、直線や円弧を組み合わせた断面を考えていきます。
基本形状に分解できたら、“作業の流れ”を考えます。まず、「2.基本の断面形状がどういうスケッチになるのか」でイメージした断面形状を、どのフィーチャ機能で作成するかを考えます。カップ部分の場合、上と下の断面形状が円なので、
など、頭の中でイメージを膨らませます。複数の選択肢がある場合は“作りやすさ”や、後からの“設計変更のしやすさ”なども考慮しながら、どのフィーチャを使うかを決めます。設計変更のしやすさを考慮したモデリングについては、今後の連載の中で紹介する予定です。
次に、取っ手部分ですが、
などの作業イメージが浮かんできます。とにかく簡単に作りたいのであれば、トーラスや押し出しが選択肢に挙がってきますが、こだわりを持って形状を作るのであれば、スイープを選択するのがよいでしょう。ここではスイープを使うことにします。
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