パンチ工業の3D測定技術を活用した月面探査車「YAOKI」が、米Intuitive Machinesの月着陸船「Nova-C」との最終統合に成功した。Nova-Cは早ければ2025年2月下旬に月に向けて打ち上げられる。
パンチ工業は2025年1月28日、同社の3D測定技術を活用した月面探査車(月面ローバー)「YAOKI」が、米Intuitive Machinesの月着陸船「Nova-C」との最終統合に成功したと発表した。Nova-Cは早ければ同年2月下旬に、月に向けて打ち上げられる。
同社は、ダイモンの月面探査計画「Project YAOKI 1(PY-1)」に参画しており、3Dスキャナーによる測定技術を提供。YAOKIは、収納ケースごと月まで運ばれ、着陸後にケースから飛び出して月面を探査するが、輸送時の振動に耐えるため、収納ケースとYAOKI本体の隙間(クリアランス)はスポンジ状の弾性体で適切に詰める必要がある。同社はその数値をデータ化、検証し、最適なケースの寸法や弾性体の厚さなどを導き出すサポートを行った。
YAOKIは、Intuitive Machinesの着陸船「Nova-C」に搭載され、NASAのケネディ宇宙センターからSpaceXのロケット「Falcon 9」で打ち上げられる。Intuitive Machinesの施設で実施された月着陸船とYAOKIの最終統合を終えたことで、YAOKI初の月面ミッションPY-1の成功も期待される。
同社は、3Dスキャナーの測定技術を活用したサービス「3D計測パートナーズ」により、打ち上げ時にYAOKIが求める品質保証要件を達成。打ち上げの土台作りに貢献している。また、金属部品加工や金属一体化技術「P-Bas」による新素材開発で、Project YAOKIの成功を支援する。
なお、PY-1では地球からのリモート操縦による月面走行、画像データ取得の技術実証を目指している。月に着陸後は、月面の詳細な接写画像を撮影し、それらを地球に送信する。
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