小売業界や流通業界を中心にデバイスやソリューションを展開するゼブラ・テクノロジーズは2021年9月7日、顧客の購買行動に影響を与え得る店舗やテクノロジーの動向に関するグローバル調査結果を発表した。Eコマースと実店舗の融合が進む中での新たな課題や、テクノロジーによる解決への可能性などが示されている。
小売業界や流通業界を中心にデバイスやソリューションを展開するゼブラ・テクノロジーズは2021年9月7日、顧客の購買行動に影響を与え得る店舗やテクノロジーの動向に関するグローバル調査レポートを発表した。Eコマースと実店舗の融合が進む中での新たな課題や、テクノロジーによる解決への可能性などが示されている。
今回のレポートは2020年8〜9月に、北米、中南米、日本を含むアジア太平洋、欧州、中東において、スーパーマーケットなどの小売店や飲食店の購買客(4157人)、従業員(577人)、企業幹部(412人)を対象に聞き取り調査を実施した結果をまとめている。調査は今回で13回目。なお、日本単体での集計結果については非公表としている。
ゼブラ・テクノロジーズの日本法人であるゼブラ・テクノロジーズ・ジャパンで社長を務める古川正知氏は調査結果のサマリーとして、小売業界を中心に「オンラインと実店舗のシームレスな融合の加速」「実店舗でのピックアップ増加による在庫管理と返品管理の複雑化」「安全重視による非接触への対応」という3つのトレンドが存在していることが分かったと指摘する。
1つ目のトレンドである「オンラインと実店舗のシームレスな融合の加速」については、消費者はEコマースと実店舗のどちらか一方のみでの購買を指向しているわけではなく、状況に応じて柔軟に購買経路を使い分けている可能性があると分かった。その根拠として吉川氏は、Eコマースと実店舗のどちらで購入するかを決定づける要因として、いずれも「製品の在庫状況」「商品の選択」「価格の比較」がトップ3に挙がっており、差がなかったことを挙げた。
なお、生鮮食料品に関しては、スマートフォンやタブレット端末からのモバイル注文を利用する人が購買客の72%を占めており、またその内、今後もモバイル注文を使い続けると回答した人は82%となった。このことから古川氏は「生鮮食料品のモバイル注文は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)を機に増加した。生鮮食料品をモバイル注文するという様式は、将来的に定着していくと推察される」と指摘した。
ただ、Eコマースと実店舗のいずれにおいても、購買客の満足度は前年より低下している。全体的な顧客満足度はEコマースが前年比5%減の73%、実店舗では前年比6%減の76%となっている。Eコマースでは送料や配達のタイミングが、実店舗では製品の在庫状況に関する満足度が前年比で低下した。
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