「改善」をサービスとして提供、iSTCが現場見える化を経営に生かす2つの新製品 : 製造ITニュース (2/2 ページ)
さらに、これらから踏み込み、旭鉄工の改善のノウハウを組み合わせてサービスとして提供するのが「KaaS」となる。「『iXacs』を展開する中で、現場データを集められるようになっても、うまく生かせずに苦しむ製造業も多く見てきた。そこで、旭鉄工で積み上げたノウハウも一緒にサービスとして提供することで、これらを乗り越えられるのではないかと考えた」と木村氏は語る。
具体的には「KaaS」には3つのステップがある。1つ目は、「iXacs」による見える化だ。まずは、現場データの収集を行い見えなかった問題を見えるようにする。2つ目は旭鉄工による「IoT伴走支援」である。これは「iXacs」によるデータを基に、iSTCがこれを見て分析しレポートを作成し、解説を行うというものだ。旭鉄工での知見により、問題点や解決の方向性などを示す。3つ目のステップが「IoTデータ活用改善塾」である。2つ目のステップまでのデータを基にした改善の仕組みを一過性のものにするではなく、企業体質として定着させられるように、仕組みや体制などの提案や指導を行う。
「KaaS」の概要(クリックで拡大)出典:iSTCの発表資料
これらの2つの新たなサービスは、製造業での展開を中心に進めていくが、他業界への展開も視野に入れているという。「モノづくりのノウハウがない企業でも問題点を把握できるようになるため、投資ファンドや金融機関、コンサルティングファームなどが、製造業クライアントのバリューアップのために活用することもできると考えている」と木村氏は展望を語る。
木村氏は「旭鉄工で取り組んだことは『人には付加価値の高い仕事を』ということを目指し、ルールを変えてデジタルツール活用を推進したことだ。これにより認知や判断、実行のスピードアップを進めるとともに従業員の知恵を引き出せた。IoTの活用は学力向上と同じだ。学力についても授業や教材などいろいろなツールはあるが、自分自身で勉強することが何よりも必要だ。生産性向上についても改善の実行が何よりも大事で、そのためのツールがIoTである。ツールを選ぶのに長い時間をかけるよりは、すぐに選んで改善に時間をかけることが必要だ」と訴えた。
≫「製造ITニュース」のバックナンバー
製造業兼スマート工場ベンダーであるiSTC、200社への導入実績を生かし改善を加速
中小、中堅企業向けのスマートファクトリー関連製品を展開するi Smart Technologiesは2019年9月12日、都内で3周年記念イベント「iSTC Evolution TOKYO 2019」を開催し、同社の今後の取り組みとともに新製品「iXacs」の紹介を行った。
カイゼンは罰ゲーム? IoTを活用した現場改善の進め方
i Smart Technologiesは2020年6月10日、「『カイゼンが楽しく』〜罰ゲームではなくなったホントの話」をテーマにオンラインセミナーを開催。i Smart Technologies チーフコンサルタントの増田春輝氏が登壇し、IoT(モノのインターネット)を使った旭鉄工での現場改善の取り組みとそのポイントについて紹介した。
IoTは町工場でも成果が出せる、市販品を次々に活用する旭鉄工の事例
調査会社のガートナージャパンが開催した「ガートナー・ITインフラストラクチャ&データセンターサミット2017」の基調講演では、自動車部品製造の旭鉄工が登壇。「町工場でも成果の出せるIoT!〜昭和の機械も接続〜」をテーマに、初期投資が低く町工場でも簡単に使えるIoTシステム構築への取り組みについて紹介した。
自動車部品製造業が「見える化」システムを開発しITベンダーになるまで
MONOist、EE Times Japan、EDN Japan、スマートジャパン、TechFactoryの、アイティメディアにおける産業向け5メディアは2019年1月22日、大阪市内でセミナー「MONOist IoT Forum in 大阪」を開催した。後編ではi Smart Technologies CEOの木村哲也氏の講演「1時間で始まるスマートファクトリー」とその他のセッションの内容をお伝えする。
製造業がDXを進める前に考えるべき前提条件と3つの戦略
製造業にとっても重要になる「デジタルトランスフォーメーション(DX)」に注目が集まっている。本連載では、このDXに製造業がどのように取り組めばよいか、その戦略について分かりやすく紹介する。第1回の今回は、DXを進める中で必要になる前提条件と3つの戦略の概要について紹介する。
いまさら聞けない「製造業のDX」
デジタル技術の進歩により現在大きな注目を集めている「DX」。このDXがどういうことで、製造業にとってどういう意味があるのかを5分で分かるように簡単に分かりやすく説明します。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.