ルネサス エレクトロニクスは、第3世代の車載用SoC「R-Car」のCPU性能を向上させた、「R-Car Gen3e」シリーズ6製品のサンプル出荷を開始した。そのうち3製品は、CPUの最大動作周波数が従来比で約20%向上している。
ルネサス エレクトロニクスは2021年7月20日、第3世代の車載用SoC「R-Car」のCPU性能を向上させた、「R-Car Gen3e」シリーズを発表した。「R-Car H3e」「R-Car H3Ne」「R-Car M3e」「R-Car M3Ne」「R-Car E3e」「R-Car D3e」の6製品のサンプル出荷を開始した。
同シリーズは、Armの「Cortex-R7」のリアルタイムコアを搭載したことで、外部の制御マイコンが不要になった。また、高速起動やHMI、ウエルカムアニメーション、リアビューカメラ、機能安全といったレファレンスソリューションにより、開発期間を短縮できる。
特に、R-Car H3e、R-Car M3e、R-Car M3Neは、CPUの最大動作周波数が2GHzで、従来品の1.7GHzから約20%向上した。最大5万DMIPSの性能を持ち、車載インフォテインメント(IVI)や統合コックピット、デジタルインスツルメントクラスター、ドライバモニタリングシステム、LEDマトリクスライトなど、高品質なグラフィックス表示が求められる車載用途に適する。
従来の第3世代R-Carとはピン互換およびソフトウェア互換に対応しており、容易な置き換えが可能だ。同社のタイミングIC、パワーマネジメント製品を組み合わせた「ウィニング・コンビネーション」も提供する。
ルネサスが自動運転向けに“最高性能”のSoC、NVIDIAと競わず現実解を提供
半導体の供給不足、トヨタとルネサスはどう見ているのか
ルネサスが注力する、「モービルアイやNVIDIAが参入できない領域」とは
ルネサスは新型コロナでも受注好調、“ウイニングコンボ”も的確にヒット
ルネサスとSiFive、RISC-V技術を活用した次世代車載半導体の共同開発で提携
ルネサスの次世代車載用SoC向けに新型DSPコアのライセンス提供を開始Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
組み込み開発の記事ランキング
コーナーリンク