さらに、ゴドブ氏は今回のカンファレンスでは「日本市場で当社が注力するさまざまな重点分野での取り組みや『Society 5.0』と足並みをそろえた当社の戦略など、豊富なコンテンツを用意している」とし、「イノベーション」「サステナビリティ」「未来の働き方」の3つのキーワードを紹介した。
イノベーションでは、同社が長年注力してきた製造業だけでなく、Society 5.0の対象にもなっている都市インフラについても、世界各地でスマートシティープロジェクトに参画してきた経験が生かせるとし、日本が取り組みを加速するSociety 5.0の実現に深く貢献できる点を強調した。また、同社はライフサイエンス&ヘルスケア領域への投資も強化しており、日本における患者治療やバイオテクノロジーの発展に対しても価値を発揮できるとした。
サステナビリティに関しては、同社で2025年におけるCO2の削減目標を策定し、持続可能な社会の実現に向けて、同社従業員だけでなく、サプライヤー、パートナー、顧客とも協力した取り組みを進めるとしている。「ダッソーのテクノロジーは、エネルギー領域におけるDXの実現にも貢献できると自負している。また、サステナビリティの取り組みを加速させるバーチャルツイン技術の可能性と各業界へのインパクトに関する共同研究をアクセンチュアと開始している」(ゴドブ氏)。
そして、未来の働き方を見据えた学生支援活動では、クラウド版の3DEXPERIENCEプラットフォームを活用したサステナビリティプロジェクト(ハッカソン)の取り組みを紹介(2020年に実施)。コロナ禍で対面での活動が難しい中、参加学生らは同プラットフォームによる“クラウドコラボレーション”でプロジェクトを進行し、3カ月後、見事にプロジェクトを完遂して成果発表会を実施することができたという。2021年も同活動の開催が決まっており、参加学生らは「水」をテーマに、持続可能なイノベーションの問題解決に取り組む。
今回のカンファレンスのテーマにある通り、“バーチャル”の活用が見どころの1つとして挙げられる。例えば、業界別セッション「自動車・輸送機器・モビリティ」では、BMWが登壇し、自動車開発におけるバーチャル環境でのシミュレーション活用について聴講できる。ゴドブ氏は「バーチャルツイン技術の活用は最終的にはサステナビリティの向上にもつながるものだ。カンファレンスでは、BMWの事例の他にも、ここで紹介したテクノロジーや業界での取り組みなどを紹介するセッションを多数用意している。ぜひ活用(聴講)してほしい」と述べ、講演を締めくくった。
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