外観検査をロボットとAIで自動化するソリューション、ロビットが製品化FAニュース(1/2 ページ)

ロビットは、ロボットとAIを組み合わせた外観検査ロボット「TESRAY Sシリーズ」を発表した。独自開発の多軸ロボットアームと撮像モジュール、AIがセットになったロボットで、樹脂や金属、繊維などの素材や射出成形、プレス加工、めっき加工、塗装など複数の加工品の外観検査を自動化する。

» 2021年04月07日 13時00分 公開
[越智岳人MONOist]

 ロビットは2021年4月7日、ロボットとAI(人工知能)を組み合わせた外観検査ロボット「TESRAY Sシリーズ」を発表した。独自開発の多軸ロボットアームと撮像モジュール、AIがセットになったロボットで、樹脂や金属、繊維などの素材や射出成形、プレス加工、めっき加工、塗装など複数の加工品の外観検査を自動化する。工場内の生産設備との連動や前後工程とのつなぎ込みなどのカスマイズにも対応する。

photo TESRAY Sシリーズのデモ機。外寸は2480mm×1190mm×2109mm、重量約450kg。実際は納入先に合わせてカスタマイズするため、外寸や重量は異なる場合がある(クリックで拡大)

 ロビットは「TESRAY」というサービス名で2018年からロボットとAIを活用した外観検査ソリューションに参入。セミオーダーメイド形式で開発し、自動車の部品検査では検出する難易度が高いとされる50μm以下の傷を±10μmの精度で推定し、かつ検出精度99%を達成するなど、製造業に最適化されたAIと撮像システムを武器に導入実績を伸ばしてきた。

 2020年には食品や農作物などの有機物を検査対象とした「TESRAY for food & agri」を発表。雪国まいたけとの共同プロジェクトでは、熟練作業員のまいたけカット技法をAIに学習させ、カット工程の自動化に成功している。

オーダーメイド対応で培った技術を汎用化

 「TESRAY Sシリーズ」は、ロビットがこれまでセミオーダーメイドで積んだ実績やノウハウを反映。素材や形状を配慮した撮影環境やAIアルゴリズムを汎用化した他、独自開発のロボットティーチング機能によって、顧客自身が操作手順をタッチパネルから容易に設定でき、多品種小ロットの生産品にも柔軟に対応できるとしている。また、目視では検出しにくい極小サイズの異常や、「目についたら異常」といった曖昧な官能検査基準にも対応。日本国内の自動車部品メーカーの検査品質に対応したAIアルゴリズムを搭載しているという。

(左)デモ機のロボットアームは6軸だが、最大12軸まで拡張可能、(右)検査結果はディスプレイに表示。上のディスプレイに傷やへこみを検出した箇所を表示し、下のディスプレイに検出した結果の詳細を表示している(クリックで拡大)

 ロビットの代表取締役CEO兼CTOの新井雅海氏は「TESRAYのサービス開始時点から汎用化を目指し、自動車部品ではラメ加工などの意匠性が高い樹脂塗装品や光の乱反射が起きやすい透明部品など、難易度の高い案件にあえてチャレンジしてきた」と、これまでの経緯を説明。食品や農作物に関しては内部が傷んでいる場合に、外観に出る影響との相関関係を検出し、ベテランの検査員でも判定できなかった不良品を検出するなど、AIを活用した外観検査の対応領域を広げながら実績を積んできたという。

 2020年5月の緊急事態宣言前後には製造業の多くの企業で生産ラインがストップし受注も一時的に停止したが、「社員を以前のように出社させられない一方で、工場は止められないという危機感から受注は回復した。特に地方の工場では海外からの職業実習生を受け入れできない状況が続いており、AIを活用したDXのニーズは非常に高い」(新井氏)として、コロナ禍の影響が追い風となっているという。こうした旺盛な需要に対応すべく、汎用型モデルを投入することで、国内の需要に幅広く応えていきたいとしている。

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