三菱重工業は、操縦が省力化できる磁気誘導式の「防爆無人搬送車」を開発した。工場電気設備防爆指針「Ex2018」に準拠して設計しており、可燃性ガスのある危険場所でも安全に使用できる。
三菱重工業は2021年2月9日、操縦が省力化できる磁気誘導式の「防爆無人搬送車(AGV)」を開発したと発表した。既に、初号機の納入を完了している。
原子力発電プラント事故の収束支援活動などで能力を発揮した、同社の防爆移動型ロボットの設計技術を基に開発。愛知機械テクノシステムが持つ、磁気誘導式AGVの設計、製造技術を統合している。
設計は工場電気設備防爆指針「Ex2018」に準拠しており、引火性ガスの中で利用する時に、自らが発する電気火花や熱などで爆発したり、火災を起こす危険性を抑えている。そのため、可燃性ガスのある危険場所(Zone1)でも安全に使用できる。
また、床面に敷設した磁気テープを読み取って操縦不要で走行できる磁気誘導式を採用。操縦の省力化が作業員の削減につながり、安全性を向上する。最大けん引能力は800kgで、最大重量けん引時の走行速度は時速約1kmとなっている。けん引なしでの後進やその場での旋回も可能で、カスタマイズによってけん引物を指定場所で自動着脱したり、バッテリー交換で稼働率を高めたりできる。
バッテリーは、自家用車や公共交通機関などで広く使われており、耐圧防爆構造に適用可能なニッケル水素電池を採用し、安全性と信頼性に優れる。さらに、接触型、非接触型のセンサーを複数設置して衝突を防ぐなど、安全運用のための配慮もなされている。
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