クボタが食料や水の課題を解決する長期ビジョン発表、2025年に営業利益3000億円へ:製造マネジメントニュース(2/2 ページ)
これらのビジョンを推進する具体的な経営計画として「中期経営計画2025」も発表している。今後5年間のメインテーマとして以下の5つの点を挙げる。これらの取り組みにより、2025年には売上高2兆3000億円(2019年12月期は1兆9200億円)、営業利益3000億円(同2017億円)を目指す。
- ESG(環境、社会、ガバナンス)経営の推進
- 次世代を支えるGMB2030実現への基礎作り
- 既存事業売上高の拡大
- 利益率の向上
- 持続的成長を支えるインフラ整備
中期経営計画2025の財務目標(クリックで拡大)出典:クボタ
次世代に向けた成長ドライバー候補の確保に向けた取り組みも強化する。北米建機事業では、2022年の量産開始に向け北米生産拠点の立ち上げを進めており、製品ラインアップ拡充や建機用アタッチメントの内製化も含め、現地での開発、生産、販売が一体となった体制構築により、大幅なシェアアップを目指す。ASEAN向けの機械事業については、安価なベーシックトラクターや安価なコンバイン投入による新領域進出を強化する。また、タイの研究開発拠点と販売会社との連携強化で、現地ニーズに適合した製品開発を推進する。
北米建機事業の成長戦略(クリックで拡大)出典:クボタ
機械事業におけるアフターマーケット事業の拡充にも取り組む。クボタでは「現状は他社に比べて部品事業の売上高比率が低く拡大余地が大きい」としており、現在8%の比率を高めたい狙いだ。純正部品以外の商材を拡充する他、地域の物価指数に合わせた価格設定を行い事業拡大を進める。国内については、IoTを活用したタイムリーな整備受注を進める他、複数年メンテナンス契約制度を導入し、機械稼働時間を通じた価値の提供を推進する。
アフターマーケット事業への取り組み(クリックで拡大)出典:クボタ
これらの実現を支えるためにDXも加速する。DXの基盤となるプラットフォームを整備、活用し、「製品・サービス・生産現場」「ビジネスプロセス」「コミュニケーション&コラボレーション」の3つで変革を進める。
DXの推進(クリックで拡大)出典:クボタ
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