連載
» 2021年02月16日 10時00分 公開

いまさら聞けない 3Dスキャナーの選定基準デジファブ技術を設計業務でどう生かす?(9)(2/3 ページ)

[小原照記/いわてデジタルエンジニア育成センター,MONOist]

「2in1」や「3in1」なども登場

 以上のように、3Dスキャナーにはさまざまな方式やタイプがあります。それぞれにメリット/デメリットがありますので、使用目的や撮影環境に合わせて使い分ける必要があります。

 また最近では、“2in1”や“3in1”など、光投影法とレーザー切断方式の両方が使えるタイプや、据え置きタイプとハンディータイプの両方で使えるもの、3Dプリンタに3Dスキャナー機能が搭載されているものなどが販売されています。必要に応じて、こうした候補も選択肢として考えておくとよいでしょう。

多機能3Dスキャナーの例:SHINING 3D社のEinScan Pro 2X&2X Plus 図3 多機能3Dスキャナーの例:SHINING 3D社のEinScan Pro 2X&2X Plus ※出典:ケイズデザインラボ(https://www.ksdl.co.jp/img/sales/pdf/KSDLweb_EinScan-Pro2XPF_S2.pdf) [クリックで拡大]

3Dスキャナーの選定基準

 ここからは、今回の本題である3Dスキャナーの選定基準について説明します。

(1)色/カラー

 3Dスキャナーの中には、対象物の色情報まで取得できるものがあります。形状検査のみで使用するのであれば色情報は不要ですが、重要文化財や衣類、人間の顔といったものの場合、色情報まで取得できる3Dスキャナーを選ぶ必要があります。

(2)マーカー

対象物にマーカーを張り付けて3Dスキャンしている様子 図4 対象物にマーカーを張り付けて3Dスキャンしている様子。SHINING 3D社のEinScan Pro 2X&2X Plus ※出典:ケイズデザインラボ(https://www.ksdl.co.jp/img/sales/pdf/KSDLweb_EinScan-Pro2XPF_S2.pdf) [クリックで拡大]

 対象物の形や位置を認識させるための基準となるもので、磁石やシール状になっているマーカーを対象物に不規則に張り付け、位置合わせの基準を作ります。マーカーを認識することで位置合わせを行うため、比較的正確な形状取得が可能です。ただし、必ずマーカー式の方が精度的に優れているということではありません。その点はご注意ください。3Dスキャナーの中にはマーカーを使用するもの、使用せずに形状や色などの特徴を認識して位置合わせをするもの、さらにはその両方が使えるものがあります。


(3)パウダー

 一般的に3Dスキャナーによる計測では、透明や黒色、光沢のある素材などの場合、光やレーザーを透過したり、反射/吸収してしまったりと、うまくデータを取得できないことがあります。その際は、白色のツヤ消しパウダーを対象物にスプレーして対応します。また、3Dスキャナーの中には、赤外線や複数本の青色レーザーなどを照射することで、この問題を解決できるものもあります。

(4)キャリブレーション/メンテナンス

 キャリブレーションの方法についても確認しておきましょう。最近の3Dスキャナーは簡単にキャリブレーションできるものが多いので、あまり心配する必要はないと思いますが、購入する際は念のため確認すべきです。また、メンテナンス性やメーカーの保証/サポート内容も選定のポイントになります。

(5)ポータブル性(持ち運び、取り回し)

 先ほど、3Dスキャナーには据え置きタイプとハンディータイプがあると説明しました。その他のポイントとして、PCとの接続性、ケーブルのあり/なしなど、持ち運びや取り回しの観点でも機種を考慮する必要があります。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.