以上のように、3Dスキャナーにはさまざまな方式やタイプがあります。それぞれにメリット/デメリットがありますので、使用目的や撮影環境に合わせて使い分ける必要があります。
また最近では、“2in1”や“3in1”など、光投影法とレーザー切断方式の両方が使えるタイプや、据え置きタイプとハンディータイプの両方で使えるもの、3Dプリンタに3Dスキャナー機能が搭載されているものなどが販売されています。必要に応じて、こうした候補も選択肢として考えておくとよいでしょう。
ここからは、今回の本題である3Dスキャナーの選定基準について説明します。
3Dスキャナーの中には、対象物の色情報まで取得できるものがあります。形状検査のみで使用するのであれば色情報は不要ですが、重要文化財や衣類、人間の顔といったものの場合、色情報まで取得できる3Dスキャナーを選ぶ必要があります。
対象物の形や位置を認識させるための基準となるもので、磁石やシール状になっているマーカーを対象物に不規則に張り付け、位置合わせの基準を作ります。マーカーを認識することで位置合わせを行うため、比較的正確な形状取得が可能です。ただし、必ずマーカー式の方が精度的に優れているということではありません。その点はご注意ください。3Dスキャナーの中にはマーカーを使用するもの、使用せずに形状や色などの特徴を認識して位置合わせをするもの、さらにはその両方が使えるものがあります。
一般的に3Dスキャナーによる計測では、透明や黒色、光沢のある素材などの場合、光やレーザーを透過したり、反射/吸収してしまったりと、うまくデータを取得できないことがあります。その際は、白色のツヤ消しパウダーを対象物にスプレーして対応します。また、3Dスキャナーの中には、赤外線や複数本の青色レーザーなどを照射することで、この問題を解決できるものもあります。
キャリブレーションの方法についても確認しておきましょう。最近の3Dスキャナーは簡単にキャリブレーションできるものが多いので、あまり心配する必要はないと思いますが、購入する際は念のため確認すべきです。また、メンテナンス性やメーカーの保証/サポート内容も選定のポイントになります。
先ほど、3Dスキャナーには据え置きタイプとハンディータイプがあると説明しました。その他のポイントとして、PCとの接続性、ケーブルのあり/なしなど、持ち運びや取り回しの観点でも機種を考慮する必要があります。
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