CESを主催するCTA(Consumer Technology Association)は2021年1月12日(現地時間)、オンラインで開催中の「CES 2021」(2021年1月11〜14日)において、2021年のテクノロジートレンドを発表した。
CESを主催するCTA(Consumer Technology Association)は2021年1月12日(現地時間)、オンラインで開催中の「CES 2021」(2021年1月11〜14日)において、2021年のテクノロジートレンドを発表した。
CTAによるテクノロジートレンドの発表は毎年CESで行われる恒例のもので、CESでの出展内容をまとめる内容となっているが、1年の技術動向を推し量るものとして注目されている。2021年は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大に合わせた大きな変化の年として「イノベーションが加速する」としている。
登壇したCTA リサーチ部門バイスプレジデントのSteve Koenig(スティーブ・ケーニグ)氏は、英国の経済学者であるChristopher Freeman(クリストファー・フリーマン)氏の発言を引用し「経済が厳しい状況であるほどイノベーションは加速する。実際にCOVID-19により厳しい環境に置かれていたが、テクノロジーによる大きな変革が起こった」と語る。
実際に起こった変化としてマッキンゼーの調査結果を紹介。Eコマースによる配達は8週間で10年分の量に急増した他、遠隔診療は10倍に増えた。また、ストリーミングビデオの利用なども増え、Netflixが7年間かけて5000万ユーザーを獲得したのに対し、サービスを開始したばかりの「ディズニー+」は5カ月で達成した状況などを紹介した。「COVID-19は、さまざまなデジタル技術の活用を早送りで進めた」とケーニグ氏は語っている。
こうした変化の中で2021年をリードし、CES 2021でも注目となる技術トレンドとしては、以下の6つを挙げている。
「デジタルヘルス」では、予防診断などを実現するために生活の中での健康情報を取得するデバイスや、遠隔診療などを含めた患者のケアに関する技術、逼迫(ひっぱく)する病院や医師の業務の効率化に貢献する技術などが注目を集めているという。
特に通信機能を持ったヘルスモニタリングデバイス市場は、2020年以降急増すると見られており、2024年には12億4600万ドルの市場に成長すると予測している。
さらに、今後注目される技術として、病院業務へのロボット技術の導入や、診断におけるAIの活用、AR(拡張現実)やVR(仮想現実)などのXR技術の活用などを挙げる。ケーニグ氏は「医療やヘルスケアの分野でのデジタルトランスフォーメーションが加速する」と語っている。
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