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» 2020年12月18日 06時00分 公開

ルネサスが自動運転向けに“最高性能”のSoC、NVIDIAと競わず現実解を提供車載半導体(2/2 ページ)

[齊藤由希,MONOist]
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演算性能の競争と自動運転車の台数規模を、分けて考える

 R-Car V3Uの「60TOPS」という演算性能は、競合他社と比べて高いわけではない。NVIDIAが2020年5月に発表した自動運転車向けプラットフォームの次期型SoC「Orin」は、最新のGPUアーキテクチャとの組み合わせによってADAS向けカメラを想定した10TOPS(1秒あたり10兆回の演算)から無人運転車向けの2000TOPS(1秒当たり2000兆回の演算)までカバーする。

 ルネサスは自動車メーカーやティア1サプライヤーが求める消費電力やコスト、演算性能のバランスを受けて60TOPSに着地した。また、数百TOPSを必要とする自動運転車がどの程度の台数規模で普及するかが不透明であることも踏まえた。60TOPSよりも高い演算性能が必要な自動運転システム向けには、R-Car V3Uを2つ以上使うことで対応する。R-Car V3Uの消費電力については2021年2月の「国際固体素子回路会議 ISSCC」で発表するため現時点では非公表だが、液冷が不要な範囲にとどめる。

 R-Car V3Uがラインアップに加わることにより、フロントカメラを使ったADASと、ハンズオフなどの「レベル2+」の自動運転システムやレベル3以上の自動運転システムに対応する製品構成となった。その中間の運転支援機能に対応する製品は、R-Carの第4世代として開発中だ。上位車種向けに高度なADASを搭載した後に、その下のボリュームゾーンの車種にも搭載できる同等のシステムを開発するという自動車メーカー各社の戦略に対応した順序だ。

 第4世代のR-Carでは、R-Car V3Uによる高度なADASや自動運転システムでの資産を流用できるようにして開発効率を高めるとともに、7nmプロセスの採用などによってコスト競争力を向上し、ボリュームゾーンの価格帯の車種に搭載できるSoCを実現する。第4世代のR-Carの量産については「V3Uの2〜3年後と検討していたが、自動車メーカーが急いでいることもあり、できるだけ早くやらなければならない」(ルネサスエレクトロニクス 車載デジタルマーケティング統括部 シニアダイレクターの伊賀直人氏)。

上位モデルに搭載した高度なシステムを、ボリュームゾーンの車種にも搭載できるよう貢献していく(左)。R-Car V3Uの位置付け(右)

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