中小企業白書2020では、付加価値の「創出」に向けた具体的な取り組みとして下記の5つを上げている。
商品を最終的なユーザーに提供するまでの、企画、開発・設計、組み立て・製造、販売、サービスといった価値創造の工程の連なりとしてバリューチェーンがある。このバリューチェーンの事業領域別に営業利益率や労働生産性の傾向を見ていくと、「最終製品の開発・設計」サービス・メンテナンス」「素材の製造」「部品の製造」の領域で営業利益率が他の領域と比較して高い傾向にある(図6)。また、「素材・部品の卸売」「最終製品の卸売」「素材の製造」の領域において、労働生産性が高い傾向にある(図7)。
開発・設計、製造など複数の事業領域にわたって事業を営む企業も多く存在することから、事業領域を「上流、中流、下流」と大きく3つに分類した上で、企業の事業領域の保有パターン別に、営業利益率や労働生産性を見ていくと、自社で上流の企画・開発機能を保有する企業は生産性が高くなる傾向がある(図8、図9)。
新事業領域進出の業績への影響については、企業の39.8%が数量増加と単価上昇の両方につながったと回答している(図10)。また、新事業分野への進出については、企業の36.0%が数量増加と単価上昇の両方につながったと回答している。
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