先に述べた企業の競争戦略別に、差別化の観点での優位性評価(競合他社と比較した際、自社の主な製品・サービスの優位性についての総合的な自己評価)の程度を見ると、「差別化戦略」や「差別化集中戦略」を採る企業において、差別化に成功していると評価する企業の割合が5〜6割と高くなっている(図11)。また、差別化に成功している企業ほど労働生産性が高い傾向にある(図12)。
既存領域での差別化の取り組みと生産性向上との関係性について見ると、製造業では「付帯製品・サービスの開発」「特定顧客向けの製品・サービスの開発」「製品・サービスの高機能化」と回答する企業において、労働生産性の上昇幅が大きいことが分かる(図13)。その他の業種でも労働生産性の上昇幅が大きく、差別化の取り組みとして、業種別に傾向は相違するものの、共通して、新製品・サービス開発の取り組みが挙げられた。
また、差別化への取り組みの結果として、新事業領域や新事業分野への進出の影響ほどではないものの、企業の22.1%は単価上昇と数量増加を同時に実現している(図14)。製造業における単価上昇・数量増加の同時実現に比較的有効な取り組みとしては「類似のない新製品・サービスの開発」「用途・デザイン・操作性で差別化された製品の開発」「製品・サービスの高機能化」が挙げられている(図15)。
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