大企業と比較して経営資源に乏しい中小企業においては、限られた経営資源の有効活用が重要となってくる。経営資源には設備や店舗などの「有形資産」のみならず、知的財産、ブランド、人材の質なども含まれ、こうした「無形資産」への投資が生産性向上につながるといった指摘も見られるが、アメリカ・英国・ドイツなどと比較すると、日本の対GDP比の無形資産投資比率は低い水準にあることが指摘されている。
無形資産の活用と労働生産性との関係について見てみると、経営資源の中で技術者・エンジニア、営業・販売人材など、人材を重視する企業が多い一方で、長期的には全体として人的資本投資(OFF-JT)は減少している(図16、図17)。
人的資本投資を実施している企業は、実施していない企業と比較して、労働生産性の上昇幅が大きい(図18)。また、製造業では経営資源の中で知的財産権・ノウハウを最重視する企業の労働生産性が高い傾向がある(図19)。
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