自動車業界の上期決算発表がスタート/燃料ポンプで大規模リコール自動車業界の1週間を振り返る(1/2 ページ)

みなさんこんにちは。金曜日です。初めての試みですが、自動車業界の1週間の出来事を振り返れるような記事を載せてみようかと思い、このようなコーナーを始めました。メールマガジンの編集後記のような、ゆるくふわっとしたトーンでやっていきます。週末なので軽い気持ちで「こんな記事も出ていたんだな」と思っていただけるととてもうれしいです。

» 2020年10月30日 17時00分 公開
[齊藤由希MONOist]

 みなさんこんにちは。金曜日です。初めての試みですが、自動車業界の1週間の出来事を振り返れるような記事を載せてみようかと思い、このようなコーナーを始めました。メールマガジンの編集後記のような、ゆるくふわっとしたトーンでやっていきます。週末なので軽い気持ちで「こんな記事も出ていたんだな」と思っていただけるととてもうれしいです。

決算発表が本格化

 さて、今週の一番の出来事といえば、10月29日から自動車業界の2020年4〜9月期の決算発表が本格的にスタートしましたね。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響がどのように響いているか、回復の見通しがどうなるか、注目です。

 自動車メーカーの決算発表のトップバッターは日野自動車でした。2020年7〜9月期の営業損益は2020年4〜6月期と比べて赤字幅が改善しており、販売の回復が進んで黒字を確保する地域も出てきたようです。日野自動車は2020年5月時点では「収益目線」として売上高1兆5000億円(前期比17.4%減)、営業利益100億円(前期比81.8%減)を設定していましたが、最新の通期業績見通しでは営業利益を30億円とし、営業黒字の確保を目指します。

 トヨタ系サプライヤー各社も決算を発表しましたが、トヨタ自動車の生産回復を受けて当初よりも収益の改善が進んでいるようです。豊田合成や豊田紡織、豊田自動織機、愛知製鋼の4社は通期の業績予想を上方修正しました。トヨタ自動車の生産が順調に回復していることに加えて、各社で進めてきたコスト削減の取り組みが効きました。

リコール対象となった燃料ポンプ(クリックして拡大) 出典:国土交通省

 ただ、気になるのはデンソーです。トヨタ自動車は10月28日、燃料ポンプの不具合で39車種、約21万台が対象となるリコールを届け出ました。この燃料ポンプがデンソー製でした。海外も含めると、グローバルで580万台を超える車両に対策を実施するそうです。

 不具合の内容は「低圧燃料ポンプのインペラ(樹脂製羽根車)において、成形条件が不適切なため、樹脂密度が低くなって、燃料により膨潤して変形することがある。そのため、インペラがポンプケースと接触して燃料ポンプが作動不良となり、最悪の場合、走行中エンストに至るおそれがある」というものです。成形条件が不適切なため樹脂密度が低くなる……という原因は、避けられなかったのでしょうか。

 燃料ポンプモジュールなどデンソーからパワートレイン事業の一部を譲り受けることを検討している愛三工業への影響も気になります。

 この他、パナソニックも決算を発表しており、車載事業の回復が鮮明です(記事はこちら:テスラ向け新型電池の開発にも着手、パナソニック2Q決算は回復傾向)。来週以降も自動車業界の決算発表が続きますので、記事で各社を取り上げていきたいと思います。

 決算を含め、この半年間のCOVID-19に関連する記事は特集サイトに蓄積しています。業績への影響や、製造業が医療分野に貢献した取り組み、テレワークなど働き方の変化に関連するニュースなどもまとめてありますので、ぜひご覧ください。

→特設サイト「新型コロナウイルス 製造業が直面する未曾有の試練」

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