KPIを予測し対応シナリオを自動提示、アクセンチュアの業務適用型AIサービス人工知能ニュース(1/2 ページ)

アクセンチュアは2020年10月21日、AIエンジン基盤「AI HUB プラットフォーム」をベースに開発した、業務別に最適化されたAIが使える「AI Powered サービス」に6つの新規サービスを追加したことを発表した。AIがKPIの着地地点を自動予測し、取るべきシナリオを自動提示して経営意思決定を補助する「マネジメントコックピット」などが新たに利用可能となった。

» 2020年10月23日 14時00分 公開
[池谷翼MONOist]

 アクセンチュアは2020年10月21日、AI(人工知能)エンジン基盤「AI HUB プラットフォーム」をベースに開発した、コンタクトセンターやSCM(サプライチェーンマネジメント)など業務別に最適化されたAIが使える「AI Powered サービス」に、新たにサービスを追加したと発表した。追加されたのは、AIがKPIの着地地点を自動予測し、取るべきシナリオを自動提示して経営意思決定を補助する「マネジメントコックピット」など6つだ。

業務に最適化されたAIサービスを提供

アクセンチュアの保科学世氏 アクセンチュアの保科学世氏

 AIを自社の成長に不可欠な技術だとして、画像解析や音声認識などのAIエンジンを業務に導入して経営に生かそうとする企業は多い。しかし、アクセンチュア AIグループ日本統括 AIセンター長の保科学世氏は「AIエンジンを試験的に導入してみたが、うまくいかず、本格的な導入を断念するケースが散見される。原因は大きく分けて3つある。1つ目はAIの活用自体が目的化してしまい、CX(顧客体験)を前提としたサービス設計ができていないこと。2つ目は、業務ごとに最適なAI技術を選定できないこと。3つ目は、個別のAIを連携させて構築する、システムの全体像を描けていないことだ」と国内企業が陥りがちなAI導入時の課題点を指摘する。

 こうした課題を解決するツールとして、アクセンチュアは2018年1月にAI Hub プラットフォームをリリースした。利用企業は画像解析や音声認識、自然言語認識など複数のAIエンジンを柔軟に組み合わせて自社の業務に活用できる。AIによる学習データなどの情報は全てAI Hub プラットフォームを経由する仕組みのため、AIクラウドサービスに依存せずにデータを一元管理できる点も強みだ。

複数のAIエンジンを組み合わせて使えるAI Hub プラットフォーム 複数のAIエンジンを組み合わせて使えるAI Hub プラットフォーム *出典:アクセンチュア[クリックして拡大]

 これらのAIエンジン群に、アクセンチュアがコンサルティング事業で培ってきた多様な業務領域の知見を組み合わせることで、業務オペレーションごとに最適化されたサービス群を開発した。それが、2019年6月に発表したAI Powered サービスである。当初発表されたサービス群は「コンタクトセンター」「バックオフィス」「コンシェルジュ」「SCM」の4つだったが、今回、これに新規サービスを追加する。

 新規追加されるのは、AIが経営意思決定を総合的に支援する「マネジメントコックピット」の他、「ナレッジシェアリング」「プロダクツ&サービス」「セールス」「アセットメンテナンス」「タレントイノベーション」の6つだ。

緑枠内がAI Powered サービスに新規追加されたサービス群 *出典:アクセンチュア[クリックして拡大]
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