国内自動車メーカーの2019年度売上高を調査し、ランキングにしました。
本記事は自動車業界の転職サイト
「オートモーティブ・ジョブズ」からの転載です。
国内自動車メーカーの2019年度売上高を調査し、ランキングにしました。
全8社の決算を集計したところ、全体で売上高は4.9%減、営業利益は16.6%減という結果に。世界経済に大きなダメージを与えた新型コロナウイルスが、自動車業界にも影を落としています。
1位はトヨタ自動車で、売上高は前年度比1.0%減の29兆9300億円でした。第3四半期までは好調に伸びていたものの、第4四半期には新型コロナウイルスの影響でアジアを中心に販売台数が減少し、わずかな減収に。お家芸の原価改善に取り組んだものの、営業利益も前年度から1.0%のマイナスとなりました。
2位は本田技研工業。売上高は、前年度比6.0%マイナスの14兆9310億円でした。販売台数はすべての主力市場で減少しており、前年度から10%減の479万台となっています。
4位にランクインしたスズキは3期ぶりの減収となりました。最主力市場のインドが景気悪化で伸び悩んでいた状況に、新型コロナウイルスが追い打ちをかける形に。売上高は前年度比9.9%減の3兆4884億円でした。
8社のなかで唯一増収となったのは、6位のSUBARUです。主力の北米市場では、販売台数が前年度から4.5万台増加。売り上げの6割以上を占める北米で新型コロナウイルスの影響が本格化したのは3月中盤だったため、アジアで稼ぐ他メーカーと比べてダメージが最小限となりました。
3位にランクインした日産自動車の売上高は、9兆8789億円でした。売上高が10兆円を割ったのは、2012年度以来6年ぶりです。
近年モデルチェンジした車種が少なく、2017年度以降は北米・欧州を中心に不振が続いている日産。現状を打破しようと生産ラインの効率化や拠点の集約などに着手したところでしたが、新型コロナウイルスの影響で販売はさらに低迷。構造改革にかかる費用を売り上げでカバーできず、405億円の営業損失を計上しました。
構造改革は2023年度まで続きます。モデルチェンジにかかる期間の短縮を目的とした車種数の削減や、日・米・中への集中投資などで、事業の立て直しを図る方針。2020年度はさらに赤字が膨らみ、4700億円の営業損失が見込まれています。
新型コロナウイルスの影響は現在も続いており、2020年度も各社減収となる見通しです。先行きが読めないため、まだ業績予想を発表していない企業も。この危機をどう乗り切るか、各社の対応によっては2020年度のランキングが大きく変動する可能性もあるでしょう。
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