最新の有価証券報告書をもとに国内自動車メーカー9社の自己資本比率を算出し、ランキングにしました。
本記事は自動車業界の転職サイト
「オートモーティブ・ジョブズ」からの転載です。
自己資本比率とは、会社が持っているすべての資産のうち、返済義務のない資産(純資産)がどれほどあるのかを示すもの。純資産額を総資産額で割って算出します。経営の安全性を示す指標で、一般的には40%以上あると安心だと言われています。
最新の有価証券報告書をもとに国内自動車メーカー9社の自己資本比率を算出し、ランキングにしました。
トップはSUBARUで自己資本比率は54.1%でした。総資産額2兆9827億円に対し、純資産額は1兆6128億円。安心だとされる40%を大きく上回っています。
自己資本比率が高いのは、借入金の少なさが理由のひとつでしょう。2018年度のSUBARUの借入金は1004億円で、総資産の3.4%。平均(※)の17.2%よりも低い水準です。
2位はいすゞ自動車で自己資本比率は52.4%。総資産額2兆1309億円に対し、純資産額は1兆1163億円でした。
自己資本比率が40%を下回ったのは、トヨタ自動車と日産自動車です。
トヨタの純資産は20兆5652億円で群を抜いていますが、借入金も20兆1502億円と大きく、自己資本比率は39.6%となっています。
最下位の日産は自己資本比率が29.7%でした。総資産額18兆9523億円に対し、純資産額は5兆6235億円。日産は銀行などからの借入金5兆210億円のほかに1兆6918億円の社債も抱えており、これが自己資本比率を押し下げています。
(※)…短期借入金、長期借入金、1年以内に返済義務のある長期借入金を合算。算出基準が異なるホンダを除く8社の平均。
売上高上位5社の自己資本比率の推移をまとめました。
各社浮き沈みはあるものの順位の変動はほぼありません。
スズキは唯一の5年連続40%超え。売上高トップ3のトヨタ・ホンダ・日産は下位が続いており、日産は連続の最下位となっています。
大変革期を迎えている自動車業界。投資のための借り入れで自己資本比率は低下するため、数値が高いと先行投資が十分に行われていない可能性もあります。とはいえ、安定した経営には潤沢な資産も必要。企業の状態を知るひとつの指標として、ぜひ参考にしてみてください。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.