まとまった時間が取れる夏休みにこそ、自分のこれからの仕事についてじっくり考えてみるのもいいのではないだろうか。転職を考えている方はもちろん、転職を考えていない人にもお勧めしたい夏休みの過ごし方について転職コンサルタントに話を聞いた。
日々の業務に追われていると、自分のこれからの仕事についてじっくり考えるのは難しい。そこで夏休みのようにまとまった時間が取れる時こそ、今後の自分のために時間を費やしてみるのもいいのではないだろうか。自動車業界専門転職サイト「オートモーティブ・ジョブズ」を展開するクイックの人材紹介事業本部 自動車チーム マネージャー 関寺庸平氏に、今まさに転職を考えている方はもちろん、転職を考えていない人にもお勧めしたい夏休みの過ごし方を教えてもらった。
まず夏休みにお勧めしたいのは、自分のキャリアの棚卸しだ。具体的には、大学・大学院での研究、これまでに携わってきた仕事、そこで経験したことや身に付けたスキル、適性や強みなどを整理すること。職務経歴書に書くような内容と考えてもらえればいいだろう。
棚卸しをお勧めする理由はいくつかある。まず「10年前、15年前の自分は、何をしていたか」を思い起こして整理するのは、意外と時間がかかる作業であること。「転職活動をスタートしてから職務経歴書を作る人は多いが、それでは実際に動けるまでにタイムラグが発生してしまうのでもったいない。一度ベースになるものを作っておけば、目指す会社向けにカスタマイズしたり、転職や異動などを付け加えたりするだけで、職務経歴書を完成させることができる」と関寺氏は話す。
またこれまでの自分を振り返ることで、自分自身の変化や成長を確認することができるのもポイントだ。今まで意識していなかったスキルや経験に気付くこともあるし、自分に向いていそうな職種や、挑戦したいこと、目指したい姿が見えてくるかもしれない。日常的には自分のキャリアやスキルを見直すことはあまりないと思うが、ビジネスマンにはこういう振り返りや自分と向き合う時間も大切なのだ。
いま転職を考えている人、あるいは将来的に考えるかもしれないという人は、他にも夏休みにできることがある。
一つは、スキルアップの準備だ。なりたい姿のために足りないスキルがあれば、夏休みを利用して学ぶ方法を検討してみるといい。企業によっては、社内で土日を活用した講習を開いていたり、社外の講習を受ける人に費用を援助したりと、社員のスキルアップを支援しているところもある。体験講習を開いている英会話学校などもあるので、夏休みシーズンなら利用しやすいだろう。
また転職フェアなどへの参加もお勧めだ。平日のイベントには参加しにくい人のために、土日や夏休みシーズンにもイベントが開かれている。こういったイベントはオープンで参加しやすいので、具体的に転職を考えていなくても参加してみるといいだろう。いろいろな企業の担当者と話をして視野を広げたり、自社と他社を比較したり、他社のエンジニアと情報交換したりする機会も得ることができる。
希望している企業が遠方にある、あるいはIターンを検討しているという場合は、旅行を兼ねて現地を訪れるのもいい。そこで生活するとなると、職場以外の環境も大事な判断基準になるからだ。
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