100社採用の異常検知ソリューションに新バージョン、AI分析の全フローを自動化人工知能ニュース

ブレインズテクノロジーは、2014年に発表した異常検知ソリューション「Impulse」の新バージョン「Impulse 2.0」の提供を開始すると発表。効率的な機械学習のプロセスを実現する「AutoML機能」の強化によって、AI分析の全フローを自動化したことが特徴だ。

» 2020年09月15日 08時00分 公開
[朴尚洙MONOist]

 ブレインズテクノロジーは2020年9月14日、2014年に発表した異常検知ソリューション「Impulse」の新バージョン「Impulse 2.0」の提供を開始すると発表した。効率的な機械学習のプロセスを実現する「AutoML機能」の強化によって、AI(人工知能)分析の全フローを自動化し、ユーザーがAIと対話しながらデータの加工・整理からモデル運用まで進められることが特徴だ。利用価格は月額20万円からで、発売初年度で100社の導入を目指す。

「Impulse 2.0」は「AutoML機能」の強化でAI分析の全フローを自動化した 「Impulse 2.0」は「AutoML機能」の強化でAI分析の全フローを自動化した(クリックで拡大) 出典:ブレインズテクノロジー

 Impulseは、製造業、建設業、IT分野を中心に、100社/1万2000以上の機械学習のモデル運用を支えるなどの採用実績がある。例えば、アイシン・エィ・ダブリュにおける生産ラインの状態監視、竹中工務店における建設機械・設備の予兆検知、オプテージのネットワーク設備監視におけるサイレント障害検知などで利用されている。

「Impulse」の利用イメージ 「Impulse」の利用イメージ(クリックで拡大) 出典:ブレインズテクノロジー

 Impulse2.0は、これらの顧客から寄せられている「数多くの分析テーマを解決するため、AI分析プロセスをさらに高速化、高精度化したい」「属人化したAI分析ナレッジを組織で共有し次の分析へ生かしたい」といった要望に応えるべく、データサイエンティストによるPoC(概念実証)を含めて何百というデータ分析案件を経て、習得したノウハウを搭載しているという。

 Impulse 2.0の特徴は、先述した通り「AutoML機能」の強化でAI分析の全フローを自動化した点にある。従来バージョンのImpulseにおいて、機械学習プロセスのうち「データ整理」「チューニング」「モデル運用」は半自動だったが、これらの機能の高度化により自動化に成功した。自動化できていた「方策の決定」と「特徴量の決定」についても、センサーや静止画の特性を分析した最適なAIの処理パイプラインの自動選定、先端アルゴリズムによる高精度な異常検知などにより機能をレベルアップさせている。

 また、月額20万円からという安価な価格での提供に加えて、分析支援やトレーニングなどの技術支援(Impulseプロフェッショナルサービス)の拡充を図り、顧客のAI導入のハードルを大きく下げていく方針だ。

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