車載電池は停滞もAI電源は好調、パナソニックHDは構造改革費用が膨らみ下方修正製造マネジメントニュース(1/2 ページ)

パナソニック ホールディングスは、2025年度第3四半期の連結業績を発表するとともに、人事体制の変更について説明した。

» 2026年02月05日 07時15分 公開
[三島一孝MONOist]

 パナソニック ホールディングス(パナソニックHD)は2026年2月4日、2026年3月期(2025年度)第3四半期の連結業績を発表するとともに、人事体制の変更について説明した。

米国EV市況の低迷により車載電池事業が苦戦

 パナソニックHDの2025年度第3四半期(2025年10〜12月)の連結業績は、売上高が前年同期比4%減の2兆633億円、調整後営業利益が同6%増の1591億円となったものの、営業損益が同1395億円悪化し72億円の赤字に転落した。また、税引き前損益も1454億円悪化し7億円の赤字、当期純損益は1166億円悪化し171億円の赤字となった。

photophoto パナソニックHDの2025年度第2四半期連結業績(左)とセグメント別業績(右)[クリックで拡大] 出所:パナソニックHD
photo パナソニックHD 執行役員でグループCFOの和仁古明氏

 赤字転落の要因の1つが、構造改革費用が想定以上に膨らんだためだ。パナソニックHDでは2025年5月に構造改革により国内外で1万人の人員削減を行うことを発表していた。しかし、希望退職者が想定以上に多く集まっているという。

 パナソニックHD 執行役員でグループCFOの和仁古明氏は「構造改革によって退職する人数規模が当初想定よりも多くなっている。計画では1万人だったが、現在の見通しでは1万2000人規模まで膨らむ」と述べている。これに伴い、構造改革費用は当初想定に比べ300億円増加し、2025年度の構造改革費用は1800億円になる見込みだという。

photo 2025年度の構造改革の動向[クリックで拡大] 出所:パナソニックHD

AIデータセンター向け電源が好調でメキシコに新工場も

 パナソニック エナジーは、EV(電気自動車)市場の停滞により車載電池分野が厳しい一方で、AIデータセンター向け電源システム需要の好調が続いており、リソースシフトを進める方針だ。

 車載電池については、米国で、EVの販売を支援していたIRA(インフレ抑制法)30Dが終了したことで、EV市況が悪化し、2025年度の車載電池販売量の見通しは、当初の40GWhから39GWhに引き下げる。和仁古氏は「車載電池はIRA 30Dの終了に際し、駆け込み需要が2025年度第2四半期にあった反動で第3四半期は低迷した。ただ、2026年度で見ると年間通じての販売量は2025年度と同等になる見込みで、第3四半期を底として徐々に回復が進むと見ている」と語る。

photo パナソニック エナジーの車載電池事業の動向[クリックで拡大] 出所:パナソニックHD

 産業/民生向け電池については、AIデータセンター向け分散型電源システムの好調が持続している。2028年度に売上高8000億円規模、ROIC(投下資本利益率)20%以上という目標を示しているが、計画達成ペースを維持している。これを実現するために供給体制の整備と、提案力や開発力の強化の2本柱で進める方針だ。

 供給体制については、国内の電池セルの生産を、既存拠点のライン拡充と車載用ラインの転用により、2028年度までに約3倍に引き上げる計画だ。北米では、セルの生産増強に向け車載のカンザス工場の一部を産業向けに切り替える。また、モジュールについては、メキシコ工場の既存ライン増強に加え、近接地に新工場を建設する。「2028年度に8000億円という目標が達成できるように、生産能力も間に合わせる。それを逆算して工場も稼働させる」と和仁古氏は説明する。

photo パナソニック エナジーの車載電池事業の動向[クリックで拡大] 出所:パナソニックHD
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