AI外観検査を簡単に可能にするパッケージ製品、検品作業を1台で実現:FAニュース
スカイディスクは、AIによる検品作業を1台で可能にする「AI外観検査機ローコストパッケージ」の提供を開始する。学習用データの取得から検品、検査まで、AIによる検品ソリューションを短期間で提供できるようにした。
スカイディスクは2020年4月24日、AI(人工知能)による検品作業を1台で可能にする「AI外観検査機ローコストパッケージ」の提供を開始すると発表した。検品作業の効率化に適した学習データの取得から検品、検査まで、AIによる検品ソリューションを短期間で提供できるようにした。
同製品は、シナプスギヤが開発した外観検査機に、同機上で動作するAIアプリケーションをパッケージ化。小型の金属パーツやプラスチックパーツなどの検品業務を半自動化する。具体的には、従来目視で行っていた検品作業をAIで自動化し、検品対象のセットと判定結果を人が確認する。
「AI外観検査機ローコストパッケージ」(クリックで拡大) 出典:スカイディスク
また、画像撮影の仕組みとAIプラットフォームとの接続を利用し、簡単にPoC(概念実証)を実施できる。学習用データは、正常(OK)品300個、異常(NG)品100個を取得するため、短期間で評価を開始できる。
材質による色のバラつきを許容して汚れを検出、模様を無視してキズを検出(※画像はイメージ)(クリックで拡大) 出典:スカイディスク
ライン実装までの期間は約3カ月が目安となる。まずユーザー環境にAI外観検査機を納入し、学習用データを取得。その学習用データにOK/NGをラベリングした後、スカイディスクが作成、実装した評価用AIモデルを用いて精度検証する。この過程を経て開発したシステムを使って、運用を開始する。
導入コストは、外観検査機が400万円から、標準AI学習モデルの作成費用(AI開発費用)が150万から。納期や価格は部品数や難易度、撮像機器構成などによって変動する。
- 第4次産業革命で変わる検査と品質向上の取り組み
製造業の産業構造を大きく変えるといわれている「第4次産業革命」。本連載では、第4次産業革命で起きていることや、必要となることについて、話題になったトピックなどに応じて解説していきます。第21回となる今回は、IoTやAIを活用することで品質向上への取り組みがどのように変化するのかという点を紹介します。
- 品質不正問題にどう立ち向かうのか、抜本的解決のカギはIoTと検査自動化
2017年の製造業を取り巻く動きの中で、最もネガティブな影響を与えたのが「品質不正」の問題だろう。「日本のモノづくり」のブランド力を著しく傷つけたとされるが、2018年はこの問題にどう対応するのかという点は、全ての製造業の命題である。人手不足が加速する中、解決につながる「仕組み」や「ツール」に注目が集まる1年となる。
- IoT時代にどう立ち向かうか、自動検査の位置付けを変えたマインドセット
「検査装置は不具合を見つける装置ではなく、不具合を出さないためのものだ」――。基板実装ラインなどで使われる外観検査装置で好調を続けるサキコーポーレーションだが、成功の土台には「マインドセット」の取り方にあったという。サキコーポレーション社長の秋山咲恵氏の講演の内容をお届けする。
- 世界を変えるAI技術「ディープラーニング」が製造業にもたらすインパクト
人工知能やディープラーニングといった言葉が注目を集めていますが、それはITの世界だけにとどまるものではなく、製造業においても導入・検討されています。製造業にとって人工知能やディープラーニングがどのようなインパクトをもたらすか、解説します。
- 人工知能は製造現場でどう役に立つのか
人間の知的活動を代替するといわれる人工知能が大きな注目を集めている。ただ、製造現場で「使える」人工知能は、一般的に言われているような大規模演算が必要なものではない。「使える人工知能」に向けていち早く実現へと踏み出しているファナックとPFNの取り組みを紹介する。
- マシンビジョンとは何か?
製造現場のプロセス自動化や品質向上に役立つマシンビジョンの基礎知識をお伝えする本連載。第1回は、マシンビジョンとは何かを解説するとともに利点について紹介する。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.