英国Raspberry Pi財団がラズパイ向けカメラモジュールの新製品「Raspberry Pi High Quality Camera」を発表。1/2.3型で1230万画素のソニーの裏面照射型CMOSセンサー「IMX477」を採用するとともに、防犯カメラや工業用カメラ向けのCマウント/CSマウントレンズの装着が可能なことが特徴。
英国Raspberry Pi財団は2020年4月30日(現地時間)、シングルボードコンピュータ「Raspberry Pi(以下、ラズパイ)」向けカメラモジュールの新製品「Raspberry Pi High Quality Camera」を発表した。1/2.3型で1230万画素のソニーの裏面照射型CMOSセンサー「IMX477」を採用するとともに、防犯カメラや工業用カメラに用いられているCマウント/CSマウントレンズを装着できることが特徴。価格は50米ドル。すぐにカメラとして利用できるように、広角用の焦点距離6mmのCSマウントレンズ(25米ドル)と、望遠用の同16mmのCマウントレンズ(50米ドル)も併せて発売する。
同財団は、ラズパイを使って画像の撮影を行う用途が拡大していることに対応して、2013年に初代のカメラモジュールを発表した。その後、初代カメラモジュールに採用したCMOSセンサーの生産中止に伴い、2代目カメラモジュールとしてソニーの800万画素CMOSセンサー「IMX219」を搭載する「Raspberry Pi Camera Module v2」を2016年4月に発売している。これまでに170万台を販売しており、ラズパイ対応カメラモジュールとして広く利用されてきた。
ただしRaspberry Pi Camera Module v2は固定焦点カメラであり、活用範囲が拡大するラズパイ向けのカメラモジュールとしては限界があった。また、1/4型のIMX219よりもセンサーサイズが大きく、低照度下でもノイズの少ない撮像を行える性能も求められていた。Raspberry Pi High Quality Cameraは、これらの課題の解決や要望に応える新たなカメラモジュールとして開発された。
なお、Raspberry Pi Camera Module v2は今後も販売を継続する。高性能のCMOSセンサーを搭載しレンズ交換も可能なRaspberry Pi High Quality Cameraとは異なり、単純に画像を撮影したい要望は変わらずあるためだ。
Raspberry Pi High Quality Cameraは日本国内でも販売が始まっている。KSYのWebサイトによれば、価格はカメラモジュールと16mmのCマウントレンズがそれぞれ6000円、6mmのCSマウントレンズが3000円となっている(価格はいずれも税別)。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.