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» 2020年04月16日 10時00分 公開

【総まとめ】“脱2次元”を果たした完全3Dの世界に待つものとは“脱2次元”できない現場で効果的に3D CADを活用する方法(11)(3/4 ページ)

[小原照記/いわてデジタルエンジニア育成センター,MONOist]

3D CADでの基本機能について

 さらに今回の連載では、3D CAD活用の第一歩として「モデリング」「アセンブリ」「データ管理」「2D図面」「検証」の概要や機能について説明しました。

 モデリングでは、3D CADで作成した形状のことを「3Dモデル」「3Dデータ」などと呼び、3Dモデル/3Dデータなどを作成することを「モデリング」と呼ぶことについて説明しました。一般的に3Dモデルの作成は、スケッチで2次元の輪郭(プロファイル)を作成し、それを「フィーチャー」と呼ばれる機能を使って、押し出したり、回転したりなどして立体化していきます。特に、最初につまずきやすいのが、フィーチャーの組み合わせです。この場合、設計機能ごとに分けて考えるとよいでしょう。

図2 図2 フィーチャーの組み合わせ例(V字ブロック)。連載第7回より [クリックで拡大]

 アセンブリでは、自分の設計した部品を実物の試作品を作成することなく、コンピュータ上(仮想空間)で組み立てて、検証を行う「仮想(バーチャル)試作」が可能なため、モノを作らずに干渉や機構などの検証が行えることを紹介しました。実試作回数を減らし、実際にモノを作ってからの修正を減らすことができるため、時間短縮、コスト低減、品質向上につながります。また、部品表とも連携でき、どの部品が何個組み付いているのかをすぐに表で確認できるため、コストの見積もり算出や部品の手配などにも役立ちます。

 データ管理では、ファイル名の変更や保存場所の移動を行う場合、ソフトによっては注意が必要で、複数人で設計を進めるチーム設計を行う際には、データを共有サーバやクラウドに保存したり、データを管理する専用ソフト(PDM:Product Data Management)を使用したりする必要が出てくることを解説しました。また、3Dデータを確認するためのビュワーソフトも導入して連携させることで、設計者以外の人もアセンブリされた3Dモデルを開いて、形状確認や組み立て/分解検証などを行うことができ、3Dデータの有効活用につなげることが可能となることも紹介しました。

 2D図面では、作成した3Dモデルを基に、正面や上、横から見た状態を投影図として配置することで、間違いのない正確な形状の図面を簡単に作成できることを紹介しました。3D CADで2D図面を作成する大きなメリットとして、設計変更に対する“3Dモデルと2D図面との連動性”が挙げられます。例えば、3Dモデルに修正が入り、形状が変更された場合、2D図面も連動してその修正が反映されるため、「正面図は修正したけど、右側面図を修正し忘れた……」といった、製図や2D CADのよくあるミスを防げます。そのため、2D CADから3D CADに移行された方々の中からは「2D図面の作成が楽になった」という喜びの声も聞かれます。

画像はイメージです 画像はイメージです(iStock.com/Zapp2Photo)

 検証では、一般的な6つの設計検証機能として、「表面積や体積の検証機能」「部品間の干渉の検証機能」「断面での形状検証機能」「抜き勾配の検証機能」「半径/曲率の大きさの検証機能」「外観(色や質感)の検証機能」について紹介しました。生産、製造面での検証機能については、実際に作業者をコンピュータ上に配置して、手が届くかどうかの確認や視線の確認など、作業性を検証できる専用ツールを取り上げました。また、最近では「VR(仮想現実)/AR(拡張現実)」技術と連携した組み立て性、作業性の検証も行われており、製造業でも“仮想と現実を融合させた検証”が行われ始めていることをお伝えしました。

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