Volkswagen(VW)グループは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大に伴う医療危機に対応すべく、3Dプリンタを用いたフェイスシールド用ホルダーの生産開始を発表した。
Volkswagen(VW)グループは2020年4月2日(現地時間)、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大に伴う医療危機に対応すべく、3Dプリンタを用いてフェイスシールド用ホルダーの生産を開始したことを発表した。
スペイン当局からの要請を受けて開始されたこの取り組みは、同グループとAirbus(エアバス)との合同多国籍イニシアチブの一環であり、両社と約250もの企業/パートナーを含む3Dプリントネットワーク「Mobility Goes Additive」の下で行われている。
3Dプリンタにより生産されたフェイスシールド用ホルダーはスペインに寄贈する計画で、輸送はエアバスが担当する。同年4月6日週に、ドイツのハンブルクからスペインのマドリッドへ運ばれる予定で、それまでに可能な限り多くのフェイスシールド用ホルダーを生産するとしている。
フェイスシールド用ホルダーの生産は、ドイツのヴォルフスブルクやインゴルシュタットにある3Dプリントセンターだけでなく、Audi(アウディ)、Bentley(ベントレー)、Bugatti(ブガッティ)、MAN Truck&Bus(MANトラック&バス)、Porsche(ポルシェ)、VW乗用車、VW商用車、VWグループコンポーネント、VWモータースポーツの工場などでも行われているという。
現在、VWグループでは50台を超える3Dプリンタを使用しているが、今回のプロジェクトを支援するために、3Dプリンタを追加導入する方針を固めている。
また、同時にLamborghini(ランボルギーニ)、SEAT(セアト)、Skoda(シュコダ)、VW乗用車では、既に医療品の生産に関するさまざまな取り組みを開始しているという。
VWのナバラ(スペイン)ではフェイスシールドの生産を開始し、ナバラ州に約1000枚を納入。シュコダではプラハ工科大学(チェコ)と共同で再利用可能なFFP3等級のマスクを製造するための3Dプリントプロセスを開発している。ランボルギーニではサンタガタ(イタリア)の生産施設の一部を改造し、サージカルマスクとプレキシガラス製保護シールドの生産を開始している。さらにセアトやVW南アフリカでも臨床評価・承認待ちの段階ではあるが、人工呼吸器やマスク、フェイスシールドといった医療機器/医療品の生産支援に向けた取り組みが行われている。
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